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義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます  作者: 桜 こころ
男の子⁉波乱の逆転生活

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第8話 陽だまり家族のすすめ


「ど、ど、どういうこと!?」


 私は鏡の中の自分をまじまじと見つめる。


 どう見ても、いつもの私じゃない。

 男の子になってる――。


 自慢だった長い髪も、ショートカットに早変わり。

 顔立ちも、どことなく男らしくなっている気がする。


 でも、一番の変化は体だ。

 胸はぺたんこだし。……あ、あそこに違和感が。


 恐る恐る、その場所に手を伸ばしかけた瞬間。


「やめろ! そんなおまえ見たくない」


 兄がその手をがしっと掴んで止めた。


 驚いて振り返ると、兄と目が合う。

 兄は複雑そうな表情で、私をじっと見つめた。


「唯、だよな? いったい、どうなってるんだ……」


「そ、そんなの、私が聞きたいよ!」


 泣きそうになりながら、私は情けない声で兄に縋りついた。




 すぐに父と母が呼び集められ、家族会議が始まった。

 私たちはリビングのソファーに座り、向かい合う。


「へえ〜、本当に唯なのかい?」


「唯ちゃんは男の子になっても可愛いのねえ」


「そうだね、美男子だ。これならアイドルにでもなれるかも?」


「それ、いい! 素敵〜」


 父も母も、ニコニコと話に花を咲かせている。


 初めこそ少し驚いていたけれど、もうすっかりこの状況を受け入れている様子だった。

 それどころか、私の男の姿を気に入ってるようにすら見える。


 さすがというべきか、なんというか……。


 本当にこの夫婦は侮れない。

 おっとりした空気の奥に、とてつもない懐の深さを感じる。


 だって、娘が急に男になったっていうのに、母は私をどう着飾るか悩み、父はもうこれからのことを考えているんだから。


 すごい柔軟性……きっと、他の家族ではこうはならないと思う。


「いつ元に戻るか、わからないんだよねえ?」


 父が真剣な顔で問いかけてくる。


「うん……どうしてこうなったのか、戻る方法も、全然わからないの……」


 私はうなだれながら答えた。


「これは僕の提案なんだけど」


 父が私の肩に優しく手を置いた。

 何事かと父を見つめる。


「ずっと学校へ行かないわけにもいかないし、その恰好のまま転校生として学校へ行くっていうのはどうかな?」


 にこにこと微笑む父には、悪意なんてひとかけらもない。

 純粋に私のことを思ってくれているのがわかる。


 でも……そんなことできる?

 正体をばらすことなく学校生活なんて送れるのかな。

 次々に不安が押し寄せてくる。


 ていうか、なんでそんな発想になるの!?


 私は不安げなまなざしを父に向けた。


「父さん、ちょっと楽しんでる?」


 兄がすかさずツッコミを入れる。

 そう、私もまさにそれを思ってた。


 父は一瞬、笑顔で固まったものの、すぐににこりと笑ってウインクする。


「そうだね。こういう事態になったんだから、それを楽しもうと思ってさ。

 ほら、悩んでいても何も解決しないわけだし、これをいい機会だと思って。

 唯も男性の気持ちがわかって、いい勉強になるかもしれないよ」


 父の前向きすぎる発想に、私は唖然とした。


 なんてポジティブな人なんだろう……。

 いや、前からわかってたけど。


 でも、こういうところが尊敬できるところでもあるんだよね。


 父といると、いつも落ち込むことを忘れそうになる。


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