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義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます  作者: 桜 こころ
運命の体育祭

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第83話 答え方間違えた?

「あ、ごめんなさい。答えにくいよね」


 何か察したように、蘭が急に視線を落とし、小さくつぶやく。

 その様子があまりにも痛々しくて、私は慌てて答えた。


「い、いや。……綺麗な子、かな」


「本当? ねえ、私のこと綺麗だと思う?」


 急に目を輝かせた蘭が、身を乗り出すように私との距離を縮めてくる。


 え、どうしたの?

 蘭の目が、だんだん熱を帯びていくような……。


「そうだな……うん、羽鳥さんは、綺麗だと思うよ。

 ほら、男子からも人気あるし」


 私は愛想笑いを浮かべながら、少し体を引き気味に答えた。

 なのに、蘭は構わずもっと近づいてくる。


 その美しい顔が、すぐ目の前まで迫っていた。


「優くん……私――」


『これより、三年生による男子二百メートル走がまもなく開催されます。

 出場選手の方はすぐに指定の場所に集まってください。繰り返します……』


 タイミングよく、アナウンスが響いた。


「あっ、ほら、咲夜と流斗さんの出る競技だよね。応援行かなきゃ!」


 確かふたりが出場すると聞いていた。

 これぞ、天の助け。


 私は立ち上がり、ほっと胸をなでおろす。


 このままでは、蘭に告白される勢いだった。

 それは困る。


 彼女を振るなんて、私にはできない。


「あら……。そう、だったかな」


 蘭は視線を落とし、指先でスカートの裾をいじる。

 そして、名残惜しそうに私を見つめた。


「優くん、いろいろお話できて楽しかった。また今度ゆっくり話そうね?」


 圧の強い視線をもろに受け、ぐっと詰まる。


「う、うん。そうだね、また今度。……急がないと、始まっちゃうよ」


 視線に耐えきれず、私はそそくさと歩き出す。

 後ろからは、少し遅れて蘭の足音がついてきた。


 ふう、なんとか今日は乗り切った。

 でもまた同じことが起きたら……蘭はきっと。


 ああ! 今は考えるな。


 とにかく、ふたりの応援に集中するんだ。


 頭を軽く振って、雑念だらけの思考を振り払った。


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