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義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます  作者: 桜 こころ
どきどき三角関係

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第35話 親友の乙女心が暴走中!

 彼女は私にとって、頼りになる姉のような存在だった。


 蘭には、どこぞの孤高のアイドルのような強さがある。

 自分を持ち、ちょっとやそっとじゃへこたれない。

 他人から否定されても、それを平然と跳ねのけてしまう。

 人の評価なんて気にせず、はっきりと自分の意見を言える。


 そんな彼女のことを、私は密かに尊敬していた。


「蘭……」


 私が感動して抱きつこうとした、その瞬間。

 蘭の表情がふっと変わった。


「でも、いいなあ。流斗さんも実は憧れてたんだよね。いい男だもん。

 ……なるほど、こうなったか」


 意味深な笑みを浮かべ、蘭がつぶやく。


 な、なに?


 不安になって蘭を見つめると、彼女は急に話題を変えてきた。


「ねえ、それより、あの子は?」


「は? あの子?」


 私が聞き返すと、蘭は腰に手を当てて怒ったように言った。


「南、優くんのことよ! 唯の従弟なんでしょ?

 あんな可愛い従弟がいるなんて知らなかったわよ。

 あの子、あんまり学校に来ないよね。なんで?」


 興味津々の蘭に、私は内心ドキドキしながら家族で決めた設定を思い出す。


「ああ、優ね。学校がちょっと苦手で、家庭教師を雇って家で勉強してるの。

 だから学校には最低限しか来てないの」


 なんとかごまかしてみせると、蘭はふーんと納得したような、していないような顔をした。


「まあ、いいや。それよりさ、優くんのこと教えてよ」


 蘭の瞳がキラッと輝き、ぐっと身を乗り出してくる。


「え? ど、どうしたの? まさか蘭、優のこと……」


 胸がざわつく。そんなはず、ないよね――

 予感が的中しませんようにと願ったけれど、その願いは届かなかった。


「うん……優くんのこと、いいなって思って」


 やっぱり!

 息を呑み、言葉を失う。

 気まずさをごまかすように、無理やり笑みを作った。


「そ、そうなんだ……でも、やめといたほうがいいかな」


 言葉を選びながら、なるべく穏やかに伝える。

 本当は焦っていた。けれど、それを悟られたくなかった。


「優って、ちょっと変わり者だし……。

 蘭にはもっと素敵な男性の方が合ってると思う」


 なんとか心変わりを誘おうと、やんわりと釘を刺してみた。

 でも――


「えー、だって私、優くんタイプなんだもん!」


 蘭はぽわんと頬を染めて、キラキラとした目を向ける。


「咲夜さんや流斗さんもいいなって思ってたけど、結局、二人とも唯のものじゃん?

 私には手が届かない存在なのよ……でも、優くんは違う。

 やっと現れた私の本当の王子様なの!」


 まるで恋する乙女そのもの。

 蘭はもう完全に、乙女モードに突入していた。


 ……ちょっと待って。

 お兄ちゃんと流斗さんが“私のもの”って。

 いったい、どこからそういう発想になるの!?


 私の頭の中に、でっかい疑問符がいくつも飛び交った。


「まあ、そういうことだから。唯も私のこと応援してよね」


 期待に満ちた蘭のまなざしに、言葉が喉につかえる。

 そんな顔されたら……もう何も言えないじゃない。


 はぁ……どうしよう……。


 頭の中で、悩みのタネがぷくぷくと芽吹いていく音がした。


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