表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます  作者: 桜 こころ
どきどき三角関係

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/152

第31話 朝の通学路、恋と修羅場と兄の怒声


 気が重い朝が、容赦なくやってきた。

 流斗さんのことを、兄に伝えないまま迎えた朝。


 ほんと、こういうところ、我ながら優柔不断で嫌になる。

 流斗さんにも、なんとなく流されてしまってる気がするし、兄にも言えないまま。

 なにやってるんだろう、私。


 ふぅっとため息をつき、鏡に映った自分を見つめた。

 夜中に発作が起きて、私は唯に戻っていた。


 そのことだけは、正直ほっとしている。

 今日は唯の姿で登校できそう――そう思いながら、制服のリボンを整えた。


 だけど、不安は消えてくれない。

 昨日のことがずっと頭から離れなくて、流斗さんの顔を思い出すたびに、胸がざわざわする。




 重い足取りで、家を出る。


 隣を歩く兄に、そっと視線を向けた。


 流斗さんのこと……早く言ったほうがいいよね。

 どうせ、バレるんだから。


 そう思うがなかなか言い出せず、気づけばもうすぐ流斗さんとの合流地点。


 私は焦りのせいか、歩幅が妙にバラついたり、リボンを直すふりをしては何度も胸元をいじったり――おかしな動作を繰り返す。

 それを不審に思ったのか、兄が顔を覗き込んできた。


「どうしたんだ? 唯、昨日から変じゃね?」


 兄の顔が急に近づいてきて、驚いた私は思わず一歩後ずさった。


「おっと、危ないですよ」


 背中から、ふわりと誰かに抱きすくめられた。


 そっと私を支えてくれたのは、流斗さんだった。

 ――悩ませている、まさにその人。


 いつもの爽やかな笑顔を浮かべているけれど、

 その瞳がどこか違って見えるのは……きっと、昨日の出来事のせいだ。


「咲夜、おはよう」


 流斗さんは、ごく自然な様子で兄に挨拶する。

 その手は、まだ私の肩にそっと添えられたままだった。


 兄は、一瞬だけ私たちの距離に目を見張った。

 気のせいか、目の奥にわずかな戸惑いがにじんだ気がする。


「おう、おはよう」


 何も変わらない、いつもの朝。

 ……だったはずなのに。


「あ、そうそう。唯さんと僕、お付き合いすることになったから」


 流斗さんの一言で、その平和は粉々に砕け散った。


 私も兄も同時にフリーズする。


「……は?」


「……っ」


 動きを止めた兄の様子を、私はそっと横目で窺った。


「はあーーーっ!!」


 兄が突然、大声をあげる。


「どういうことだよ!? 流斗、おまえ今なんて言った?」


 兄は流斗さんに詰め寄り、その勢いで胸ぐらを掴んだ。

 動揺を隠せない目が、まっすぐに流斗さんを射抜いている。


 それでも、流斗さんは相変わらず涼しい顔のままだった。


「え? だから、僕と唯さん、付き合うことにしたって」


「は!? なんでだよ! なんでいきなりそんなことにっ」


 兄がさらに詰め寄り、二人の顔がくっつきそうになる。


「まあまあ、落ち着いて。説明するから」


 流斗さんは兄の肩を優しくぽんぽんと叩く。

 兄も少し冷静さを取り戻したのか、わずかに距離を取った。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ