第15話 バレた!?屋上での衝撃
昼休み。
チャイムの音と同時に、教室内がざわつき始める。
昼食を求めて立ち上がるクラスメイトたちのあいだで、私はなぜか、あっという間に取り囲まれていた。
男女問わず、次から次へと昼食の誘いが飛び交う。
こんなにモテモテなの、初めてかも……。
はっ、私って唯より、優の方がモテるのか?
そんなことを考えていると、聞き覚えのある声が廊下から飛び込んできた。
「待たせたな。皆すまない、優は俺がもらってく」
颯爽と教室のドアを開けて入ってきた兄が、まっすぐ私の元へ歩み寄ると、手をぐいっと取った。
「きゃっ、咲夜さん!」
「こんなに近くで見れるなんて……!」
教室の空気が一気に華やぐ。
女子たちが黄色い歓声を上げ、目を輝かせながら兄を見つめていた。
「また一緒にお食事でも!」
「咲夜さん、こんにちはっ!」
今度は男子たちまで、照れたように声をかけてくる。
……はぁ。
兄は男女問わずモテる。
それは妹として自慢だし嬉しいことなんだけど――困るんだよね。
焼きもち、妬いちゃうから。
兄の手に引かれながら、どうしようもないモヤモヤがじわじわと広がっていった。
「さ、ここなら邪魔は入らないだろ」
兄が連れてきたのは屋上だった。
ドアを開けた瞬間、あたたかな光と共に風がふわりと頬をかすめる。
そのとき、視線の先に見覚えのある姿があった。
風に髪を揺らす流斗さんが、こちらを見て優しく微笑む。
「流斗!?」
兄が驚いた声を上げた。
「なんで、ここがわかったんだ?」
「なんでって……なんとなく咲夜の行動を読んでみたんだよ。ここかなって。
やっぱりあなたも一緒でしたか……南優くん」
流斗さんがにこやかに歩み寄ってくる。
えっ、どうして名前を!? 教えてないのに。
っていうか、今どういう状況?
混乱しながら兄を見れば、兄も複雑な表情で流斗さんを見つめていた。
流斗さんはすぐ目の前に立ち止まり、私をじっと見つめる。
そして、ニコッと笑った。
「南優さん。もとい、川野唯さん……ですよね?」
その瞬間、私と兄は固まり、言葉を失った。
ど、どうしてバレたの!?
思考がぐるぐると回り、頭が真っ白になる。
「おい、流斗」
兄が声を荒げかけるが、流斗さんは穏やかにそれを制した。
「待って。大丈夫、僕は君たちの味方だよ」
流斗さんは爽やかな笑顔を崩さず、優しい声でそう言った。




