第145話 そして大団円?
「ってことで、黙ってたこと、別に気にしなくていいよ。
私、楽しかったし。恋する気持ちを堪能できた。ありがと!」
蘭はにこっと笑い、私の頬にちゅっとキスをした。
「っ! ら、蘭!?」
驚いて一歩後ずさると、蘭は可愛く微笑み、そっとウインクしてきた。
もう、苦笑いするしかなかった。
怒られたり、泣かれたり、嫌われたりする覚悟だったけど――
そんな心配、まったく無用だったみたい。
よくわからないけど、蘭が楽観的な子でよかった。
ん? よかった……んだよね?
「はあー、本当におまえは……」
突然、兄が私の肩をそっと抱き寄せた。
息がかかるほどの距離に顔を寄せられ、私は目を丸くする。
「あれだな。あんまり可愛い妹……いや、彼女を持つと大変だよな」
兄がつぶやくと、隣で流斗さんも頷いた。
「そうですねえ、大変ですよ。咲夜、気を緩めないように」
流斗さんがどこか挑戦的に兄を見つめる。
すると兄が、ニヤリと不敵な笑みを浮かべた。
「ふん、望むところだ」
そう言ったかと思うと、兄が私にキスをした。
柔らかな感触が唇に触れる。
「あっ」
「あ!」
流斗さんと蘭が同時に叫んだ。
私はあわてて兄を押し返す。
「な、何すんの!」
「いいだろ、別に。見せつけてんの」
悪びれるどころか、嬉しそうに笑う兄を見つめ、私はため息をついた。
二人の前でキスするなんて、なに考えてるのよ!
……恥ずかしいじゃない。
「もう、知らない」
ぷいっと顔を背けると、兄は「ごめんって」と軽く頭を下げ、
流斗さんはそれを見て可笑しそうに笑い、
蘭はすかさず「仲がいいのね」と私の肩をつついてきた。
照れくさくて、むくれたふりをしていたけど、
気づけば、自然と私も笑っていた。
このメンバーとなら、きっとこれからもこうして笑い合える。
そう、心から思えた。
――こうして、私の報告は、無事?に終了したのだった。
今回のドタバタ変身騒動、めでたく幕引!
……ってことで、いいんだよね?




