第132話 親友からの贈り物、兄からの牽制
ダイニングで、みんなで食卓を囲みながら、
私とお兄ちゃん、そして流斗さんとのこれまでを、ぽつぽつと語っていった。
しばらくすると、両親はあくびをしたり、ふたりで雑談を始めたりし始める。
どうやら話に飽きてしまったようだった。
……うん、やっぱりこうなるよね。
あれだけ勢いよく迫ってきたくせに、数分後にはこの有様。
この人たちに真面目な話は通じないというか――たぶん最初から、そこまで深刻に捉えてなかったんだと思う。
もう、ほんといい性格してるよ。
食事を終えると、みんなでぞろぞろとリビングへ移動した。
父と母は息ぴったりにキッチンへ立ち、仲良く後片付けを始める。
「ほんと、唯のご両親って仲いいよね」
蘭が笑いながらぽつりとつぶやく。
その声音につられて、私もふっと笑った。
「うん、そうだね。いつまで経ってもラブラブなんだから」
そんなことを言い合いながら、私と蘭は並んでソファに腰を下ろす。
……と、そのすぐ後ろで足音が止まった。
お兄ちゃんと流斗さんだ。
ちらりと顔を見合わせると、どちらも少し複雑そうな表情を浮かべながら、腰を下ろした。
――男同士の微妙な距離感が、なんだかちょっとおかしい。
やがて、流斗さんが口を開く。
「咲夜、唯さんのこと、頼みましたよ。泣かせたら容赦しませんから」
真顔でそんなことを言われて、兄はちょっと面倒くさそうに眉をひそめた。
「わかってるよ、何回言うんだよ」
「一生言い続けます」
その返しに、兄は呆れたように息をつきながらも、口元には笑みが浮かんでいる。
……やっぱり、この二人、なんだかんだ仲いいよね。
そんなやり取りを見ていると、自然と私も笑みがこぼれた。
ふと視線を感じて目をやると、流斗さんがこちらを見ていた。
「唯さん、これ」
彼が小さな細長い箱を差し出してくる。
「え? これ……」
「クリスマスプレゼントです」
私は目をぱちぱちと瞬かせ、少し戸惑いながら箱を受け取った。
「なっ……おまえ、性懲りもなく……!」
兄が流斗さんを睨みつける。
しかし、流斗さんは涼しい顔で軽く肩を竦めた。
「何を言っているんですか。プレゼントくらい、いいでしょう?」
「何だよ、それはそれ、これはこれってか」
二人が軽く口論を始める。
そんな彼らを横目に、蘭がプレゼントに興味津々で身を乗り出してきた。




