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義兄に恋してたら、男になっちゃった!? こじ恋はじめます  作者: 桜 こころ
やさしさに満ちた場所で

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第128話 イルミネーションと、決意の乾杯


「ただいまぁ」


 玄関の扉を開けると、そこはまるで別世界だった。


 天井から吊るされた電飾たちが、きらきらと輝き、まるで私を出迎えるように光っている。

 眩しさに目を奪われながら、そっと前方へ視線を移した。


 廊下の壁沿いには、小さな白いライトが連なり、やわらかな光で道を照らしている。

 足元には、可愛いサンタやトナカイのぬいぐるみがずらりと並んでいた。


「おかえりー!」


 突然、父がサンタの格好で登場。

 両手を大きく広げて、嬉しそうに駆け寄ってくる。


「おかえりなさーい。ケーキもチキンもあるわよ〜」


 その後ろからは、もう一人のサンタ――母が現れた。

 にこにこと愛らしい笑顔で迎えてくれる。


 毎年恒例の光景だけど、やっぱり父と母のサンタ姿はどこか現実味がない。

 童話のキャラクターみたいに見えちゃうんだよね。


 本人たちはノリノリだから……何も言えないけど。


「あはは……ほんと、楽しい家族だな、うちは」


 兄があきれたように私を見た。


「う、うん。とっても素敵な両親だと思うよ」


 もう、笑って頷くしかなかった。


 こうして、私たちにとって忘れられない、長くてにぎやかな夜が始まった。




 リビングもダイニングも、すっかりクリスマス一色。

 いつもの空間が、まるでテーマパークみたいに華やいでいる。


 壁には淡いライトが飾られ、その光に照らされて食卓がほんのり浮かび上がる。

 床には赤い絨毯まで敷かれていて……ここ、本当に私の家? まるでパーティー会場みたい。


 リビングの中央には、大きなクリスマスツリーが堂々と飾られ、部屋全体を彩っていた。

 棚やソファの端にはサンタや動物のぬいぐるみがちょこんと並んでいて――きっとこれは母のこだわりだ。


 ダイニングのテーブルには、深紅のクロスが敷かれ、その上に大きなホールケーキとローストチキンがきれいに並べられている。

 窓の外を見れば、雪が静かに降り続いていた。


 ……すごい。これぞ、ザ・クリスマスって感じ。


 私たちが席につくと、父も向かいに腰を下ろした。

 母はワインとジュースを運んできて、それぞれのグラスに注いで回る。


 全員が席についたところで、父が口を開いた。


「えー、では。今年もこうしてみんなで仲良くクリスマスを迎えられたことに感謝して――乾杯!」


 それぞれグラスを手に取り、カチンと音を立てて合わせる。

 両親はワイン、私と兄はオレンジジュースだ。


「さあ、いただきましょう」


 母が嬉しそうに手を合わせた、そのとき――


「ちょっと……話があるんだけど」


 兄が静かに口を開いた。

 父と母が、不思議そうに目をぱちくりさせながら兄を見る。


「どうしたんだい? 改まって」


 父が優しい笑みを向け、問いかけた。


「お、お兄ちゃん……」


 私は兄に視線を送った。

 まさか、今言うつもり?

 なにも、こんなタイミングじゃなくても――。


 けれど、兄は真剣な眼差しで私を見つめ、ほんのわずかに頷いた。


 本気なんだ。


 私も、覚悟を決める。


「父さん、母さん……俺」


 一瞬、兄の瞳が揺れた。

 けれど、すぐに顔を上げ、両親をまっすぐ見据える。


「唯が好きなんだ」


 い、言ったーー!


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