表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
俺はこの世界で生きる権限を得た  作者: 心川構成
第3章プロトはじまり
6/13

魔物狩りの饗宴



俺は21の時、あるものを手に入れた。それは魔物目、いわゆる千里眼だ。これによって、俺は魔物の存在を視認できるようになったが、その代償として、魔物に狙われることも多くなった。俺は魔物狩りを始め、彼らの魂を食べることで生計を立てるようになった。元々暴食の俺は、普通の食事では満足できず、いつしか魔物を食べることが楽しみになっていた。


だが、俺にも食えないものがあった。それは見た目が美しい魔物だ。外見は魅力的でも、味は最悪で、ぐちょぐちょの魔物は珍味とは言えなかった。そんなある日、俺は魔物狩りのプロに出会った。


「私はネクロマンサー、よろしくね。噂では聞いてるよ、暴食ハンターがいること。あれ、君だよね?」


彼女の名は原よしこ。俺は少し戸惑いながら答えた。


「まあ、美味しいから。」


彼女は笑いながら、ぐちょぐちょの魔物を指さした。


「これ、食べる?」


我慢できずに、俺はその魔物を口にした。味はやはり最悪だったが、彼女の目が期待に満ちているのを見て、なんとか飲み込んだ。


「君、悪魔を食ったことがあるかい?」


「一度だけ。」


「上出来だ。」


その時、後ろから現れたのは、馬鹿でかい男だった。彼は俺に尋ねた。


「キミ、なんでも食えるのかな?」


俺は少し考えた後、答えた。


「前に美しいやつ、バンパイヤを食ったが、くそ不味かった。でも、慣れれば美味しいものだ。」


男は笑いながら、俺の言葉を受け入れた。


「話が逸れるが、なんでも食えるぜ。君に依頼したいものがある。」


俺は興味を持った。依頼とは何か、どんな魔物を狩るのか。原よしこが続けた。


「実は、最近、特定の魔物が街を襲っている。そいつは、見た目は美しいが、味は最悪だ。君の力を借りたい。」


俺はその言葉に引き込まれた。美しい魔物を狩ることは、俺にとって一種の挑戦だった。原よしこは、依頼の詳細を説明してくれた。


「その魔物は、街の人々を魅了して、魂を吸い取る。見た目は美しいが、実際は非常に危険だ。君の千里眼を使って、そいつを見つけてほしい。」


俺は頷いた。美しい魔物を狩ることは、俺の新たな目標となった。原よしこと共に、俺たちは街へ向かった。


街に着くと、魔物の影がちらほらと見えた。俺は千里眼を使い、周囲を見渡した。すると、遠くに美しい姿をした魔物が見えた。まるで人間のような形をしているが、その目は冷たく、何かを企んでいるようだった。


「見つけた。」俺は声を上げた。


原よしこは頷き、俺の後を追った。魔物は俺たちに気づき、逃げようとしたが、俺はすぐに追いついた。千里眼のおかげで、そいつの動きは手に取るようにわかった。


「待て!」俺は叫びながら、魔物に近づいた。


魔物は振り返り、俺を見つめた。その瞬間、俺はその美しさに魅了されそうになった。しかし、俺は自分を奮い立たせ、魔物に飛びかかった。


「食べるぞ!」


俺は魔物の体に噛みついた。だが、味はやはり最悪だった。ぐちょぐちょの感触が口の中に広がり、俺は思わず顔をしかめた。


「どうだ?」原よしこが笑いながら尋ねた。


「最悪だ。」俺は答えた。


「でも、君はそれを食べることができる。君の力は本物だ。」


俺はその言葉に少し自信を持った。美しい魔物を狩ることができたのは、俺の成長の証だ。原よしこは、俺の背中を押してくれた。


「これからも一緒に狩りをしよう。君の力を借りたい。」


俺は頷いた。魔物狩りのプロとして、原よしこと共に新たな冒険が始まる。美しい魔物を狩ることは、俺にとって新たな挑戦であり、楽しみでもあった。


「次はどんな魔物を狩る?」俺は尋ねた。


原よしこは微笑みながら答えた。「次は、もっと強力な魔物だ。君の力を試すチャンスだよ。」


俺はその言葉に胸が高鳴った。魔物狩りの饗宴は、まだ始まったばかりだ。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ