黄金鮑の幽玄蒸し
青森県の皆様ですら未だ知らない魅力的な料理。
いかがでしたでしょうか?
続きましては、秋田……はなんだか美味しそうなものがすでに沢山ありそうなので、岩手県の魅力的なS級グルメを、
私飯村がご案内いたします。
岩手県
S級グルメ
「黄金鮑の幽玄蒸し」
概要
三陸沖の海にて採れる最高級の黄金鮑を主役とし、岩手の伝統工芸である南部鉄器を調理器具として使用。
香り、味、見た目、そして提供の演出すべてが「幽玄」の名にふさわしい芸術品。
価格は一皿**¥800,000**。調理には職人の手間が惜しみなく注がれ、提供までに1か月以上の準備が必要とされる。
料理の詳細
1主役食材: 黄金鮑
◦三陸沖の限られた漁師のみが捕獲を許される「黄金鮑」は、通常の鮑の10倍の大きさと輝く金色の殻が特徴。
◦特定の藻類のみを餌とし、1年に5個体しか市場に出回らない幻の食材。
2調理技術
◦黄金鮑を南部鉄器の特注蒸籠で蒸し焼きにすることで、海の香りを極限まで閉じ込める。
◦蒸籠内部に地元の桜チップを仕込み、桜の香りと鮑の旨味を融合。
◦蒸し上がった鮑に特製の岩手県産純米酒「極寒の雫」を霧状に吹きかけ、表面に黄金の輝きを与える。
3 付け合わせと演出
◦黄金鮑を囲むように岩手産の松茸とキャビアを盛り付け。
◦食べる直前に南部鉄器製の蓋を開けると、桜の煙とともに鮑が輝きながら姿を現す。
ストーリー性
「黄金鮑の幽玄蒸し」は、岩手の海と山が生み出す豊かな自然の象徴。古来、三陸沖で獲れる鮑は「海の神の贈り物」として崇められ、特に黄金鮑は富と幸運の象徴とされた。この料理は、その伝統に敬意を表しつつ、現代の技術で再構築したもの。
提供時には「鮑を蒸しながらその魂を昇華させる」とされ、調理そのものが儀式として扱われる。一皿を食した者は、まるで岩手の海と山の神々に触れたかのような感動を覚えるという。
価格
¥800,000(一皿/完全予約制。岩手県内の特定旅館でのみ提供)。
レビュー
•「岩手の自然がこの一皿に凝縮されている……いや、岩手そのものだ。」
•「食べるという行為が神聖な儀式に昇華される瞬間を体験した。」
•「桜の煙と黄金鮑の輝きが、まるで幽玄の世界への扉を開くかのようだった。」
飯村一口メモ
「和食の入り口が北海道であるとするなら、岩手はさながら、和食の客間である」
というのは、かの俳人、顎田 滅法斎の言葉である。
この、黄金鮑を捕獲するために、漁師は10年間海に手を突っ込み、やがて腕が石灰化してしまったことから、
『岩手』の地名がついたというのは、岩手県民なら誰しもが知っている事実である。
多くの岩手県民にとって、食とはつまり「芸術」の事を指し、黄金鮑の幽玄蒸しはその真骨頂であるとされる。
なを、黄金鮑から取れる真珠は、単なる鉄球である。
見た目と、イメージは違う。それを教えてくれる究極にして至高の一品。
Z級グルメ
「青緑斑妖羊の逆毛汁」(あおみどりまだらようようのさかげじる)
概要
岩手の山奥に伝わる、存在しない妖怪「青緑斑妖羊」の伝承をもとに作られた禁断の料理。「青緑斑妖羊」とは、夜中に山の小屋を訪れ、中年男性の、喉のいがらっぽい「カーーッペぇ!!」と鳴き、
羊の姿でありながら逆さまに生えた毛を持つ異形の存在。その逆毛を使った汁は、地元で「絶対に飲むな。絶対だぞ」とされてきたが、料理として復刻された。
料理の詳細
1主役食材: 青緑斑妖羊の逆毛
◦実際には岩手県ロッキー山周辺で採取される珍しい野草「逆生草」を乾燥させ、毛のように見立てたもの。
◦野草の成分には極めて苦いアルカロイドが含まれており、摂取すると舌が痺れる。
2調理工程
◦「逆生草」を一晩塩水で煮込み、苦味を極限まで引き出す。
◦汁には岩手の地鶏「南部どり」の血を少量加え、赤黒い色合いに仕上げる。
◦最後に、妖羊の毛に見立てた野草を浮かべて提供。
3味の特徴
◦強烈な苦味と鉄分の味わいが口内を支配。
◦汁を飲むと舌が麻痺し、しばらく味を感じなくなる。
ストーリー性
「青緑斑妖羊の逆毛汁」は、岩手の漁師や猟師の間で語り継がれる妖怪「青緑斑妖羊」に由来。ある夜、青緑斑妖羊を退治しようとした猟師が誤って逆毛を煮た汁を飲み、口がきけなくなったという恐ろしい伝承がある。現在では「伝承を再現する料理」として開発され、食べた者は一時的に味覚を失うという恐怖体験を楽しめる。
価格
¥7,000(一人前/体験型料理。食べる際には事前同意書が必要)。
レビュー
•「飲むなと言われたものを飲むという行為が、これほどまでに愚かだと気づかされた」
•「まずくるのは鉄味。そして錆味。そして後からやってくるのが斑模様の羊だ。記憶から消したい」
•「まず青緑斑妖羊を好奇心から見てみたい。一眼見たら撃ち殺す」
飯村悟の一口メモ
「和食の入り口が北海道であるとするなら、岩手はさながら、和食の客間であると聞いていたのに、
いざ玄関口を開けると肛門から外に放り出された」
と謳ったは、かの俳人、顎田 滅法斎の13番目の弟子、ユダであった。
この句を謳った後に、彼は怒りのあまり師、滅法斎を十字架に貼り付け、満潮の三陸沖に沈めたという。
岩手に観光に来たものは、鮑が出てきて一同盛り上がり、青緑斑妖羊の逆毛汁が出るとちゃぶ台を叩き割って激怒する。
しかし、多くの岩手県民は、食を芸術と位置付けているために、この汁物をけなされる事を嫌い、
お通しの汁物にはこの逆毛汁を必ず出し、その試練を乗り越えたもののみ鮑を食すことを許しているという。