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Ep1.野鹿を探して

初投稿です(ほんとやで!)

 目が覚めた時、そこには大地が広がっていた。

 延々と大地が広がり、その上に空が広がっていた。

 私はこの大地に生きる人だ。



 私はこの広い大地を馬に乗り生きる人だ。

 昼は馬を走らせ、夜は寝ることもあれば、起きて見張りをすることもある。

 名はケイと言うありふれた名前だ。


 この大地には私の他にも大勢の人が居る。ヤギを飼っているシキ族、バラレイの大いなる川の周辺に定住するケレル人、時折川の先からやってくる冒険者達……

 他にも多くの人がこの大地に居て、それぞれの生活をしている。


 今日は馬に乗り、野鹿を探す日だ。

 去年の大雪が大地に残ったせいで今年は春の訪れが遅く、鹿が私が主に住んでいる方の大地に来なかったのだ。


 今は7月、夏だ。

 例年なら野鹿の他にウサギや鳥もこちらへ来る時期なのだが………


 もう食料は無いに等しい。一ヶ月前に獲った野牛の干した肉と、この前ケレル人と物々交換して手に入れたパンを、大切に食べて来たがもうほとんど残っていない。


 馬を走らせ東の草原へ行ってみることにする。

 今年はまだ東の草原には行っていないのだ。



 馬を走らせる。

 友人から借りた馬なので慎重に走らせる。


 何時間かたった頃ようやく着いた、西の方に太陽が登っている、日が登る頃に出発したはずなのに。

 しかし日暮れまでにはまだ余裕があるぐらいの位置だ。


 馬に草原を歩かせ、周りの様子を見る。

 周りに犬の背丈程の草が青々と生い茂っていて、まばらに夏の象徴とされる花が生えているが、名前は忘れてしまった。

 ふと草に食べた跡がないか探してみようと馬から降りてよく見てみると、わずかに葉が噛み切られた跡が残されていた。


 やった。野鹿はここに来ていたのだ。

 食べた跡は新しいので、今朝頃食べに来たのだろう。


 もう今日は遅いので私は東の草原から南にある丘の周辺で野営することにした。

 明日の早朝、野鹿を狩ることにしよう。


 馬から火打ち石と木炭を持ってきて暖を取る。

 この木炭や火打ち石もケレル人達との物々交換で手に入れた物だ。

 彼らは生活に役立つ物を沢山持っている、それを狐やテンの皮と交換することで手に入れている。

 もはや我々は、彼らのもたらす便利な道具や物品無しでは生きていくことが難しいのではないだろうかと、時折不安になることがある。


 そうやって様々なことを考えるうちに意識が遠のいて行く。

 夕焼けとうっすら光る木炭を見ながら私は寝ることにする。

 おやすみなさい


読んでくれてありがとう!

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