小雨の古本市
船着き場で、島に渡ってきた人たちを見ていると、みんな暗い顔をしている。夢の中の話。その中に、ピアニストの姿を見つけたので、声をかけた。ダメもとで、今夜ライヴをやってくれと頼むと、了解してくれて、七時に来てくれることになった。私はそれを信じたわけではないのだが、店に戻って、準備をする。道路を走ってきた車の、運転手が消えてしまい、自動車だけ残される。キイもそのままなので、私はそれを運転して、店の隣のガレージに入れる。制服の警官がそれを見ているが何も言わない。
天気予報では曇りだったのだけれど、駅を降りるとぽつぽつと降り出した。私は早朝からビッグリーグの野球を、これは勝ちそうだなというところまで見届けて出かけた。五割前後を行ったり来たりしていて、もうポウストスィズンの望みはなさそうだ。十月からは朝の仕事をしないとだな。
納骨堂への送迎バスの乗り場が変わった。電車を降りたところから十分後に出発だから、間に合うかどうか微妙だと思ったけれど、郵便局の方から回り込んだら直ぐだったので、余裕だった。しかし私以外にもう一人しか待っていない。待合所でトイレに行った。電車の中で飲んだ缶酎ハイが効いている。バスも新品だった。以前はバス会社に委託していたように思うのだが、これは専属のようだった。運転手も今までと違っていた。この不況化に儲かっているんだろうか。
お堂で金ぴかの仏像を、証拠写真のように撮ってから、扉を開けて水を入れる。三台ほど左に別の参り客がいた。焼香をして、少し周りを見てくる。お堀にいたはずの鯉が見当たらない。外のお堂は工事中で入れなかった。扉を閉じて、香炉の電源を抜いて、来たときと同じバスで降りた。途中の私鉄の駅で降りて、古本市にやってきた。
前に来たときも雨だった。あれは一昨年の春だったか。あのときほど大降りではない。それでもいくつかブルースィートがかけられているし、雨曝しの棚もあるし、ざっとだけ見て回ることにする。真ん中の本部で団扇をもらうことは忘れずに。去年のだけ無い。小学生のころ読んでいたスィリーズの、まだ出ていなかった分の一冊があった。これは五百円。同じ頃に読んだエスエフの本があったけれど、値段を見たら五千円もしたので、これはよした。そのスィリーズに入っていたはずのポケット版は、これは二百円だったので買った。今回は七百円。前来たときは税別だったけれど、今回は税込みだった。ビニール袋は無料でくれた。帰りの特急券を電車の中で予約しようとしたら、一時間後のしか出て来ない。間引き運転しているのかと思ったら、事故で止まっているということが、乗換駅に来て分った。
仕方ないので、動いている逆向きにターミナルまで戻った。前に昼飲みした店まで行って、聞いたら、ごめんなさいとのこと。新刊書店で高校生の書いた小説を買い、唐揚げを買って駅に戻ったら、特急が動いている感じだったので、駅員に聞いたら、これは出発するけれど、後のは取り消しになるとのことだったので、慌ててスマートフォンで予約して載った。コンヴィニで買い物をする間もなかった。




