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93話 旅行じゃないですよ?

ちょっと短めです。




「まぁ、驚くのも無理はないよ。お姫様は冒険の旅なんてした事ないみたいだからね。」


「う、うむ。ましてや、初冒険で魔王討伐なんて、ハードルが高すぎやしないか?」


「王様の意見も分かる。でも考えてみて?自国の姫が魔王討伐の英雄として、歴史に名を刻む。民からの信頼も揺るぎないものになるだろうね!」


「、、確かにそうなのだが、モブリーニュはLv3だぞ?スライム1匹に苦戦するようなステータスだからなぁ。一撃でも攻撃を受けたら、ゲームオーヴァーだ。」


「ふふっ、心配いらないよ。お姫様、ちょっとこっちに来て?」


「は、はい。」



俺は席を立ち、お姫様に目の前まで来てもらった。


さて、まずは王様の心配してる防御力を解決するとしましょう。


そう、言わずとも分かる、完全無効化障壁!!

ダメージ・衝撃はもちろん、状態異常まで完全に0にする優れものである。


これを展開しておけば、Lv 3の姫様でも魔王ソロ討伐が可能!年単位の超長期戦になるが、、。


という訳で、姫様に完全無効化障壁を展開した。ついでにアイラにも展開しておこう。



「さて。これでお姫様の防御力は、実質この国最強になりました!」


「は?」」」」


「いや、だから、、お姫様の防御力が、、


「ちょっ!まっ、待ってくれ!!何故、勇者様の前に立っただけで、防御力が最強になるんだ!?」


「あ〜、まぁそういう魔法をかけたからだよ。効果は永続だから、お姫様は寿命で死ぬまで殺されないって事になったね、おめでとう!」


「あ、、ありがとうございます?」


「姫。実感なし。証拠を見せるべき。」


「その方が早いか。んじゃ、観ててね?」


俺はトーラスマグナムで食堂の壁一面をぶっ壊し、その攻撃力を示した。

続けて、それをお姫様に向けて撃ち放つ。



ふよん♡


「どう?」


「え、、ええ。優しく撫でられたような感触が。本当に、それだけですね、、。」


「でしょう?これで、お姫様の最強防御力は分かってもらえたかな?」


ぶっ壊した壁にリセット魔法をかけながら、王様達に確認をとる。



「そ、そうだな。壁が一瞬で直ったのは謎だが、どうやら勇者様の言う通りのようだ。しかし、幼児並みの攻撃力しかないのは、どうしようもないと思うが、、。」


「それも大丈夫!今使った武器なんだけど、同じのをお姫様用に1つ作ったからね。INT50000000の威力だから、多分魔王も一撃じゃないかなっ♪」


「そ、、そうか。モブリーニュよ。冒険の旅に行ってみたいか?長く、辛い旅になるだろうが、お前が行きたいのなら止めんよ。」


「お父様、、。私、行ってみたいです。外の世界を自分の目で見てみたい。」


「そうか。分かった。、、勇者様方、娘をよろしくお願いします。」


「ん。1泊2日、楽しんでくる。」


「えっ?い、1泊2日と言いましたか?」


「姫にはもう言った。1泊2日魔王討伐旅行。」


「あっ!あれは冗談で言っていたのかと思っていたのですが。」


「、、ちっ、ぺっ。魔国領・魔王城まで3時間飛べば到着。だから途中で観光したりする。帰りはここに転移だからトータル1泊2日。」


アイラは舌打ち&ツバ吐きしながらも、旅のプランを教えてくれた。


俺はポッケからハンカチを出して、アイラの吐き捨てたツバを拭いた。

拭き終わりアイラの方を見ると、「ウケた?」と聞かれたので、「いや、フケた。」と返した。


「ふふっ♪ナイス。」ニヤリ、、


ふむ。拭き掃除が褒められたのか、ツッコミが褒められたのか、、まぁ、ツッコミだろう、、。



「そ、そうか。1泊2日か、、。モブリーニュよ、楽しんできなさい。」


「はいっ♪」


こうして、無事に説得することができ、正々堂々とお姫様を連れ出せることとなった。



食後の歓談も終わり、客間の部屋へと戻りホッと一息、ミルクココアを出して2人でいただく。



「人間。性別が『♂↔︎♀』になってた。なんで?」


「あ〜、それね?実はかくかくしかじか(36話・42話参照)でね?」


「ふ〜ん。男に戻る魔法を創れば良いんじゃないの?」


「、、、。」」


と、アイラの言葉で室内は静寂に支配された。



「、、そ、そうだね。うん、そうだったよ。イチゴを女の子にするのに女性化魔法が出来たんだから、その逆だって出来るよね、うん。」


「ふふっ♪アイラはどっちでも良い。でも男版の人間も見てみたい。」


「そう?まぁ本来は男だから、男に戻ることにするよ。あ〜でも、今戻ると王様達にも説明しなくちゃいけなくなるかぁ。」


「ん。帰ったらにする。」


「そうだね。それじゃ、明日から忙しくなるから、そろそろ寝よっか?」


「寝る前に焼きそばパン。」


「わ、分かったよ。」


焼きそばパン、カレーパン、コロッケぱんと、チョココロネを作ってあげた。デザート的な感じでね?



「じゃあ、先に寝るけど、アイラも夜更かししないようにねっ?」


「ん。おやす。」


俺は布団に入り目を閉じるが、「むっひゃー美味いっ!!」とか「カレーパンもヤバいっ!!」とか、「人間っ!!おかわり。」とかで、結局アイラが食べ終わるまで、3時間ほど付き合う事になった。


まぁ大満足のようでなによりでしたが、、。




翌朝、お姫様が直接部屋へとやってきて、「朝食を食べる準備が整いました。」と。


ふむ。なんか変な言い回しだけど、、まぁいっか。



お姫様の後に続き食堂へ。



「おお、勇者様方。おはよう。」


「王様、お妃様、おはようございます。」


「ええ、おはようございます。それでは勇者様。今朝は何を食べさせてくれるのかしら?」


「えっと?」チラッ


お妃様の言った意味が良く分からなかったので、アイラに確認の視線を送ってみる。



「ん。人間が創った方が間違いない。デザートはアップルパイ。」


「り、了解〜。」


という事のようだ。さっきお姫様の言い回しがおかしかったのは、初めから俺に創らせるつもりだったからだね?


まぁそんなに期待に満ちた目で見られたら、仕方ない。

俺も漢(男)だ!その期待に応えてみせようぞ!!


とりあえずメニューを考えなくてはな。


朝からステーキというのは、ちょっとガッツリ過ぎだよね?


う〜む。、、よし!ハンバーガー&マフィンにしよう。

これなら、レタスやトマトと一緒に食べれて健康にも良いし?


まずはハンバーガーから創るかな!

ノーマルハンバーガー・チーズバーガー・テリヤキバーガー・グラコロバーガー・テリタマバーガー・BLTバーガー・チキンカツバーガーといったところか。


次はマフィン!

ノーマルマフィン・チーズマフィン・チーズエッグマフィン・フィッシュフライマフィン・テリヤキマフィン・ベーコンレタスマフィンといったところだな。


付け合わせに、フライドポテトとチキンナゲットを。


飲み物はバニラシェイクとチョコシェイク、ストロベリーシェイクをご用意!


デザートはアイラのリクエスト、アップルパイ!


さぁ、ご賞味あれっ♪



テーブルの上にポンポンポンッとリズム良く現れるバーガー達に歓声が上がり、その魅惑の匂いにヨダレを垂らす。



「んじゃ、いただくとしましょうっ♪」


「いただきまぁっす♪」」」」」


「うふぉーーっ!!昨日に続き、この料理も美味すぎるっ!!止まらんっ♪」


「こちらのチーズエッグマフィンも美味しすぎますっ♡」


「勇者様の世界は、美味しいでいっぱいなのですねっ♡」


「ふふっ♪ナイスストロベリーシェイク♡」


などなど、朝から楽しい時間を作ることが出来た。



朝食を終えて、いざ出発の時。城門前にて旅立ちの挨拶をする。

王様達以外にも沢山の人が見送りに来ていたので、ここはきちんとした口上を述べる必要があるだろう。


「では、私リュウ・ナポリタン、アイラ・アイスクリームは、王命に従い魔王討伐旅こ、、ゴフンゴフンッ!ま、魔王討伐の儀を果たしてきます。それと、最強戦力であるモブリーニュ姫殿下もご助力下さるという事で、深く感謝致す所存でございます。」


「うむ。見事、成し遂げてみせよ。そして、、勝利の宴を開く準備をしておくぞ!楽しみに待っておる!!、、さあ行くのだ、勇者達よっ!!」


と、危うく旅行って言いそうになったけど、それ以外はちゃんと、、いや。王様の言葉にあった勝利の宴って、俺の料理を食べたいだけな気がする。


ま、まぁ、、いいんだけどさ。



城門前から城下町の方へ歩いていると、お姫様が少し困ったような顔で話しかけてきた。


「あの、勇者様?」


「ん?」


「えっと、歩いていくのですか?馬車とかは?」


「問題ない。昨日も言ったけど、飛んでく。アイラが2人おんぶする。」


「え〜っと、、?」


「ふふっ♪アイラの種族、忘れた?」


「、、あっ!もしかして?」


「ん。アイラは紙風船。風に乗って飛べる」チラッ


ああ、今日もツッコミ待ちですね?

仕方ない。


俺がアイラにツッコミを入れようとしたのだが、予想外の展開が!



「な、なんでやねーんっ!」


「ふふっ♪間違え。アイスドラゴンだった。姫ナイス。」ニヤリ、、


「よ、良かった〜。、、ふふっ、褒められちゃったっ♪」



と、まさかの姫ツッコミが炸裂したのだ。

王族の勘でも働いたのだろうか。ここでスルーしたら国が滅ぶ、、と。


なんにせよ、ツッコミ担当が増えたのはありがたい。俺が見落としても姫様がフォローしてくれると思うと、余裕が出来るからね!


俺はお姫様にお礼として、無詠唱魔法で5つ目のつむじを作ってあげるのであった、、。


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