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41話 パルメザン大森林③




〜三班 トラミ・チェリー・シバ・アンナ編〜



「ママ!アタシは、さりげなくリュウさんの班に合流しちゃうのが良いと思うのんっ♪」


「それは良いアイディアね!」


「い、いや。それだと他の班の皆から、(うら)まれるですよ?」


「そうですね。でしたら、アルナガラの滝でリュウ様達と合流するのがよろしいかと。リュウ様達の班は、最終目的地にアルナガラの滝を設定しているようなので、そこでなら自然に合流できますよ?」


「それだわっ!!じゃあ、この南のマス川を一直線に北上していきましょっ♪」



「アンナさん?ち、ちなみにこの川で飛び跳ねまくってる魚は、食べられるのかしら?」


「はい。こちら、ニジマスという魚で、焼き・天ぷら・フライ、、どれにしても美味しく頂けますね。」


「ごくりっ!!」」」


「試しに食べてみますか?これだけの量がいるなら、2〜3時間食べまくっても、影響はないでしょう。」


「やったーっ!!ほらほらっ、シバ!!早く捕まえてくるのーんっ!!」


「わ、分かったですっ!!」


「目指せ1000匹なの〜んっ♡」





ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



〜四班 ギン・トト・ルル・シェリー編〜




「さて。我らに与えられた任務は分かっているな?」


「はいっ!リュウさんの安全を確保する事ですっ!!」


「よろしい。トトも大分分かってきたじゃないか。では、我らの取るべきルートも分かるな?、、シェリー!」


「ふふっ♪そのコンセプトを(もと)に考えるのでしたら、アユ川を目指して進み、川沿いを抜けてアルナガラの滝を目指すのが正解ですね。、、しかし。」


「む?しかし?」


「リュウ様は、皆からの沢山のお土産を期待しておりますので、それに尽力した方が喜ばれると思いますよ?」


「っ!!そうだったか!!!分かった!うちの班は各自でリュウさまへの貢ぎ物を集めてくる事としよう!!では、散開っ!!!」



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー




「実際に見たいっ!!ショボかったら殺す。」


「にゃっふっふ。拙者のにゃん術を見たら、おヌシも腰を抜かすでござるニャンっ♪」


「早く見せろ。じゃないと殺す。」


おぉ、、ニコちゃんマジギレだよ。威嚇魔力ダダ漏れだよ!!



「にゃむ。では、、にゃん法!拙者がいっぱいの術っ!!!」


「フニャっ♪」」」」」


「おぉっ!!ニャーちゃんが5人にっ!?」


「にゃっはっはっ!これを使えば、、


「拙者が料理をして、、

「拙者が掃除をして、、

「拙者が洗濯をして、、

「拙者が薪割りして、、

「拙者はお昼寝、、、、


「、、出来るでござるニャンっ♪」」」」」


「それだけ?リュウ、もう殺していい?」


「いやいやいや!ま、まだ序の口だよね!?」


「フニャン?拙者がいっぱいの術は気に入らなかったでござるニャ?それなら、、にゃん法!氷雪解塵(かきごおり)メロン味の術っ!!」


そう言った瞬間、ニャーの手にラーメン(どんぶり)ほどの器とスプーンが現れ、シャンシャンシャンッという音と共に粉雪が降り積もっていくかの如く、器にかき氷が溜まっていく。


器の口から20cmほど山盛りになったところで粉雪は止まり、濃い緑色の雨が器に降り注ぎ、その積雪を鮮やかに染める。



「えっと?」


「にゃふふっ!拙者の得意にゃん術の一つ、氷雪解塵(かきごおり)の術でござるニャンっ♪この術には色々なバリエーションがあって、イチゴ・ブルーハワイ・抹茶・コーラ・宇治金時・餡蜜・チョコソフト・メープル・カスタードなどがあるでござるニャーっ♪」


「試食。まずかったら殺す。」


「にゃふふっ!!ひと口食べたら、おヌシも文句は言えなくなるでござるニャーっ♪」


ニャーちゃんから、かき氷メロン味の器を受け取り、ニコちゃんはひと口。



「、、許す。ブルーハワイもっ♡」


「フニャっ♪仕方ないでござるニャーっ♪ご主人も食べてみるニャンっ♪」


「う、うん。じゃあ俺は、宇治抹茶金時にバニラソフトを添えて。、、できる?」


「お任せでござるニャンにゃーっ♪」


ニャーはニコちゃんや俺の注文を受け、ササっとかき氷を作ってくれた。


俺の注文した宇治抹茶金時バニラソフト添えも、注文通りのものを出してくれる。


さて、実食!!



ふむ!!マジギレニコちゃんが許したのも(うなず)ける!!


この氷、、口にした瞬間にフワッと溶けて、優しい冷たさを残して消えていく。

その冷たさを感じた舌を、後からくるシロップの味が暖めていく。


まさに、芸術的かき氷だ!!



「ニャーさん。もしかして、にゃん術ってこれだけですか?」


「フニャ?まだまだあるでござるニャンっ!」


「た、例えば?」


「そうでござるニャンにゃ〜、、。よく使うのは、にゃん法・魚が美味しく焼けるの術と、にゃん法・拙者はどこかにゃ〜の術でござるニャン!!」


「そ、、そうですか。、、リュウ様、どうやらニャーさんは、戦闘には向いていないようです。」


「うん。バニーに言われる前から気付いてたよ、、。」



幻獣ケットシーの能力を見せてもらい、戦わせるのはやめておこうと決めた俺とバニーであった、、。



と、そこに、二班の母・パル・シール・ウルがやってきた。



「あら〜っ♪その可愛い猫ちゃんはどうしたのかしらっ♡」


「あっ、母さん!この子はニャーちゃんだよ。、、ニャーちゃん、自己紹介してくれる?」


「はっ!拙者、ケットシーのニャー・ニャニャン・フニャーと申すでござるニャン!ご主人のリュウサマに仕える、忍びでござるニャン!」


「まぁっ♪ご丁寧にどうもっ♡私はリュウの母で妻の、ローラ・ナポリタンよっ♪」


「ご主人の母君で、、妻でござるかニャン?」


「まぁ、えっと、、そうなんだよね。」


「さすがはご主人でござるニャっ!!真の覇者とは、全てのメスを魅了するものでござるニャンっ!!」


「ふふっ♪ニャーちゃんもリュウにメロメロみたいねっ♡」


「はっ!拙者、ご主人に生涯を捧げ、ゆくゆくは3人の子を授かり、ベニシャケを美味しく食べる家庭にするでござるニャンっ♡」


「え?、、ニャーちゃん、オスじゃないの?」


「はっ!拙者はメスでござるニャン。、、頭どころか色々大丈夫かにゃ?」


いや、猫の性別なんて見た目で分かる方が凄いからねっ!?



「で、でもさ?俺、女の子だよ?」


「にゃふふっ♪今は、、でござるにゃんにゃ?拙者の猫目はごまかされないでござるニャンっ♡」


にゃるほど。元は男の子で、戻る気になればいつでも戻れるというのはバレてるんだね?

さすがは忍者!!感心するねっ!!



「フー殿に聞いたでござるニャンっ!」


「俺の感心を返して。」


「フニャ??」


「リュウさまっ♡パルはベニシャケを食べてみたいですっ♡」


「あっ、そうだよね!せっかくここまで来たんだから、パル達もベニシャケを堪能した方がいいよっ!!バンバン捕まえてあげるから、ドンドン食べてっ♪」


「はいっ♡」


「拙者も手伝うでござるニャーっ♪」


俺とニコちゃんとミミーでベニシャケを釣りまくり、バニーとニャーが調理。


二班の皆に振る舞う。



「はわゎ〜っ!!この味っ、美味しすぎるわ〜っ♡」


「はい〜っ♡パルはもうベニシャケと結婚します〜っ♡」


いや、新郎さん食べられて終わりですよね?



「ほら、シール。骨とっといてやったぞ。」


「ありがとっ♡」



ん?シールとウルの様子が、、?



「母さん。シール達、何かあった?」


「うふふっ♡皆が揃った夜ご飯の時に、教えてくれるんじゃないかしらっ♡」


「ふ〜ん?まぁ、それなら夜ご飯まで楽しみにしとこっかなっ♪、、あっ!トラミ達も到着したね。、、おーーいっ!!」


「リュウさんっ♡アタシにお刺身をくれるのーんっ!!?」


「皆さん、既に食べ放題みたいですねっ♪」


「リュウさまっ!ニジマスも美味しかったですっ♪」


三班のトラミ達も合流し、皆でベニシャケ食べ放題祭りに発展した。


そんな中、ベニシャケを釣りまくっている俺の側に、アンナが寄ってきた。



「リュウ様。私のハンバーガーはいかがでしたか?」


「う、うん。お、、美味しかった、、よ?」


「ふふっ♪夜食にでもして頂ければ幸いです。」


「そ、、そだね。せっかく作ってくれたのに、ごめんね?」


「いえいえ。この魚は、ここでしか食べられないんですから、仕方ないです。ですが、、。」


「分かってるよ。そうだなぁ〜、、アンナは何か欲しい物とかある?」


「はい。物ではありませんが、私もパル様同様、リュウ様が大人になったら、赤ちゃんを授けていただきたいですねっ♡」


「ええっ!?で、でも、俺、女の子だよ?」


「ふふっ♪そうですねっ♡」


ああ、アンナにもバレているようだな。まぁ、俺をこんなにも(した)ってくれてる女性のお願いを、無碍(むげ)にするのもどうかと思うし、、。



「じ、じゃあ、10年後にもう1度聞くから、その時同じ答えだったら、、ね?」


「はいっ♡リュウ様、愛しておりますっ♡」


「ありがとっ♡」


チュッ♡と、優しくキスをした。

唇を離しアンナの顔を見ると、普段の冷静沈着のアンナからは想像できないくらいに、照れっ照れの表情で、恥ずかしがっていた。


これは、、可愛い!!


世間一般に言われる、ギャップ萌えというやつだろう。



「今のアンナの方が可愛いと思うよっ♪」


「リ、リュウ様っ!?わ、私は調理を手伝ってきますねっ!?、、ふふっ♡」


小走りで皆の方に去っていくアンナであったが、嬉しそうに微笑んでいたから、良しとしておこう。


しかし、俺に鬼が迫ってきていた。



「リュウ?浮気?」


「えっ!?い、いやっ!?違うよっ!!?」


「ニコは悲しい。リュウが色んなところに愛人を作りまくる、、。」


「いやいやいやっ!愛人なんて作ってないって!!ただ、俺を慕ってくれてる人の気持ちを、踏みにじるのが嫌なだけで、、。」


「ふふっ♡知ってるっ♡今のはイジワルだった。ニコは優しいリュウが大好きっ♡ニコが1番なら許すっ♡」


「もちろんニコちゃんが1番だよっ!!俺の1番はニコちゃんだよっ♡」


「うんっ♡」


と、チュッチュしながら釣りまくった。


順風満帆な今の生活。

明日から学校が始まるわけだが、いつまでもこんな感じで楽しく過ごしたいねっ♪


と、浮かれ気分の俺なのであった、、。


この後の夜ご飯で、衝撃的な事実を聞くまでは、、ね。


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