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24話 マグロ狙い




アタシの名前はチェリー。


誇り高きブラックタイガーの子供なのん!!



ついさっき、超強い魔力をもった人間の子供・リュウさんと結婚したんだけど、アタシの選択は間違ってなかったの!!


なぜなら、リュウさんがくれる魚っていう食料が、マジ美味しすぎるのんっ♡


でもリュウさんは、アタシと結婚するより先に、ライオスキングのニコと結婚してたの。


歳はアタシと同い年くらいなんだけど、リュウさんと同じくらい超強い魔力をもってるのん。


そのニコに、自分が正妻なら許すって言われたの。


1番になりたい気持ちは確かにあるけど、こんなに力の差があったら、競う気も無くなるのん。


まぁ、リュウさんはチューすれば魚をくれるから、別に1番じゃなくても良いのっ♡



それにしても、人型っていうのはなかなか便利なのん!特にこの前足が凄いの!!

魚を掴んで食べられるし、痒いところも掻けるし、文句なしなのんっ♪


、、いや。一つだけ不満があったの。

アタシ自慢の毛並みが、頭と尻尾だけになってしまったのん、、。


毛が全く無くて、少し寒いのん。


まぁでも、魚を食べるためには仕方なかったの。、、生きる為なのんっ!!!



あっ、、そろそろ寝るらしいのん。ニコは抱っこしてもらってて少し羨ましいけど、それが正妻の特権だから、アタシは我慢しておんぶなの。


ふあ〜〜、、。お腹いっぱいだし、アタシも眠くなってき、た、、の。ス〜、、ス〜、、




アタシの名前はチェリー。


魚をくれるリュウが大好きな、ブラックタイガーの子供なのんっ♡




ーーーーーーーーーーーーーーーーーー




俺はニコちゃんをいつも通りお姫様抱っこして、なぜかチェリーをおんぶして、リビングから部屋へと向かっているのだが、すぐに耳元から寝息が聞こえてきた。



「お腹いっぱいで寝ちゃったみたいだね。、、ニコちゃん、怒ってる?」


「、、少し。でも、妹が出来たみたいで少し嬉しい。だから許してあげるっ♡」チュッ♡


「ありがとねっ♡」チューっ♡


と、2階に上がる階段の途中で、チュッチュした。


確かにチェリーも超可愛いのだが、チェリーの場合は、魚欲しさに愛を語っているだけだからね。


俺が1番好きなのは、やっぱりニコちゃんだよっ♡



「うんっ♡ニコもリュウ大好きっ♡」


「ありがとねっ♡」


部屋に戻り、起こさないようにチェリーをベッドに寝かせて、窓際のテーブルでニコちゃんとお茶を飲む。


最近、色々と慌ただしかったので、夫婦の時間を楽しもうと思ったのだ。



「勉強の方はどう?大丈夫そう?」


「うんっ♪シェリーが分かりやすく教えてくれるから、分子力学的エネルギーと魔力エネルギーの相対性理論に基づく、変換効率の定理まで終わったっ♪」


「そ、、そか。が、頑張ったね。」


「うんっ♡」


褒めてあげると、嬉しそうに可愛い笑顔を見せてくれるニコちゃん。


しかしあのメイド、有能すぎるだろっ!

人語を覚えて数日しか経ってない子に、よく分からない定理を理解させるなんて、家庭教師を本業にした方が良いんじゃないのっ!?



「リュウも頑張ってるっ♡母さんもミミーも、1日で無詠唱魔法が使えるようになったもんっ♪」


「いやぁ。それは俺じゃなくて、母さんとミミーが頑張ったからだよ。俺はきっかけを作ってあげただけだよ。」


「ん〜?でも、リュウが居なかったら、無詠唱魔法の存在すら分かってなかったんだから、やっぱりリュウも頑張ったよっ♡」


「ふふっ、ありがとっ♡、、ふ〜。明日、明後日、、その次の日が入学式。多分、荒れた入学式になると思うんだよねぇ。」


「うんっ♪リュウが倒した奴等だけじゃなくて、色々な奴を雇ってるっ♪」


「そうだね。確実に王子を殺しにくるはずだから、、ね。ていうか、ニコちゃん。なんか楽しそうだね〜?」


「うんっ♡だって、リュウが大活躍するのを下から見られるんだもんっ♡楽しみっ♪」



ふむ。どうやら、ニコちゃんをお姫様抱っこしたまま、戦わなくてはいけないようだね。

頑張れ、、俺!!



「と、とりあえず、明日・明後日のうちに、たくさん遊んでおこうね!」


「うんっ♡」



こんな話をしながら、夫婦みずいらずの時間を過ごしたのであった。





「ほらっ、リュウさんっ!?早く起きてなのっ!」


「ん、、うぅん、後5時間〜、、。」


「ダメ〜っ!もうアタシはお腹ペコペコなのんっ!!」


と、体を超激しく揺すられる。

マウントポジションから胸ぐらを両手で掴み、腕を伸ばしたり縮めたりして、マジ激しく揺すられる!!


これを後1分続けられたら、首に重大なダメージを負ってしまいそう。


俺はやむなく、ゆっくりと目を開いた。



そこに居たのは、艶やかな黒髪がお尻のホッペを隠すほどのロングヘアで、金髪のメッシュが3本入ってる、、逆トラカラーの髪の超可愛い少女であった。


猫耳に、黒に金メッシュが3本入った猫しっぽ。パッチリ二重のまん丸猫目に金色の瞳。△の角を丸くしたような猫口と、ちょこんとある小さなお鼻が愛らしい。


身長100cmくらいで痩せ型なのだが、美しいその胸は、既に、、。どこまで育つのか、将来が楽しみである。


ツルツル美白美肌なのは、擬人化の特典なのかしら?



「おはよう、チェリー。まだ4:03だよ?早起き過ぎない??」


「おはよなのっ!今日の朝ご飯はお刺身食べ放題だから、楽しみで早起きしたのんっ♪」


「え、、ああ。なんか昨晩、そのような事を聞いた覚えがあるような〜、、ないような〜、、。」


「ちゃんと言ったのんっ!リュウさんだって、『ああ、分かったよ。愛するチェリーの為なら、毎食お刺身食べ放題だって構わないさっ♡』って言ってたのん!!」


「い、、いや。流石にそれは言ってないよね?」


「ちっ、ペッ!」


ああ、、超絶可愛い美少女の舌うち&ツバ吐きなんて、、どの層へのご褒美なんですか!?


俺は少しだけ、ほんのちょび〜〜っとだけ、ドキドキしながらツバを拭いたのであった。



「まぁ、魚より肉が良いって子もいるだろうし、チェリーだけ食べ放題っていうのもダメだと思うから、普通の量で我慢してくれないかな?」


「え、、ふ、普通の、、?アタシへの愛は、お刺身250kg分しか無かったのんっ!?」


「い、いや。2kgくらいで考えてたんだけど、、。」


「に、2kgっ!!!?そんなの一口で終わってしまうのんっ!!!ああ、、愛する人に(もてあそ)ばれて、無惨に捨てられるアタシなのん、、。」グスッ


「わ、分かった!じゃあ、5kg!!」


「、、200kgなの。」


「じゅ、10kg!!」


「、、180kgなのん。」


「せ、せめて20kgっ!!これでダメなら、離婚するしか、、


「わっ分かったのんっ!!20kgでアタシは大満足なのーーっ!!!」


「ありがとねっ♪まぁ、本当に足りなくて仕方ないようなら、オヤツとかあげるから、、ね?」


「む〜っ!なら、マグロ尽くしで頼むのんっ♪」


「ふふっ、了〜解っ♪楽しみにしててねっ!」


「はぁいっ♪」


「さて、、とりあえず服をなんとかしないとね。ニコちゃんの服を貸しといてもらおっかな。」


俺はタンスから、ニコちゃん作の可愛いピンク縞パンとTシャツ、ジーパンを取り出して、チェリーに着せてあげる。



ふむ。胸の差か。胸の分で寸足らずになって

、お腹が丸見えになってしまうぞ?


まだ朝早いけど、ここは母さんに任せるしかないようだな。多分そろそろ起きてくる頃だろうし。



俺はチェリーを連れてリビングへ行き、母が起きてくるのを待つことにした。


リビングに入ると、キッチンから物音が聞こえてきた。


もう起きて朝ご飯の支度を始めてるみたいだ。



「おはよっ!」


「リュウ様、おはようございます。」


「あっ、シェリーだったのか!」


「はい。私ではダメでしたか?」


「う〜ん。シェリーは服のサイズ直しとかは出来る?」


「もちろんですよ。ああ、そちらの娘さんの服ですね?」


「そうなんだ。この子はチェリー。ニコちゃんのTシャツだと、胸の分がね?」


「、、分かりました。それに、そのままだとポッチも問題だと思いますので、ブラもご用意致しますね。」


「あ〜、、是非お願いします〜。その辺の事は、女同士の方が良いと思うから、俺は席を外すね!」


「ええ、かしこまりました。では、30分ほどお待ち下さいませ。チェリー様はこちらに。」



俺はこの時間を利用して、魚の補充をしてこようと思う。

ブラックタイガー家族のおかげもあって、30tくらいあった冷凍魚が、早くも7tを切るくらいになってしまったからな。


このままいくと、今日明日中に無くなってしまう。


チェリーの好みも分かった事だし、今からの30分間は、マグロ狙いうちという事でっ!!



俺は王家の別荘へと転移し、相変わらずフロントロビーでくつろいでいる、メイドA・Bに話しかけた。


「おはよっ、2人とも!2人とも早起きだね!」


「あっ!リュウ様っ!おはようございます。」


「おはようございます、リュウ様。メイドの朝は早いのです。それで、こんな早くにどうかなされましたか?」


「いや〜、それがね?実は、、


と、2人に残りの魚がもうすぐ底をつきそうだと伝えた。



「ええーーーーっ!!?」」


驚愕の声をあげる2人のメイド。


まぁ、そうだよね。30tの魚なんて、一般家庭だったら15年分はあると思うし、、。


しかし!!家にはライオスキングを始めとした、食欲旺盛な(まもの)たちが沢山いるんです!!今の事態も想定の範囲内なのですっ!!



「という訳で、船を借りたいんだ。今日はマグロ狙いうちだから、出来れば2人にも手伝ってもらいたい。良いかな?」


「かしこまりました!この海域に生息する、全てのマグロを釣り尽くしましょう。」


「そ、そこまで時間はないんだ。今から約30分だから、数より大きさで釣っていこうと思う!」


「かしこまりました。では、今回は反則しないでくださいませっ♪」


「えっと、、また勝負するの?」


「もちろんですよ?まぁ、リュウ様が負けたままで良いとおっしゃるなら、私どもはそれでもかまいませんが?」


「ふ、ふ〜んっ!?この前は、たまたま運良く勝てただけなのに、素敵な勘違いをしてしまってるようだね!?」


「ふふっ♪本当に勘違いならいいのですが、これでまた私どもが勝ってしまったら、リュウ様の面子が潰れてしまいますね。やはり止めておきましょうか。」


「いやっ!やるに決まってるじゃん!!」


「そうでございますか。では、私・アンナが勝ちましたら、リュウ様と1日デート権をいただきますねっ♪」


「では、私・バニーが勝ちましたら、リュウ様と1日H権をいただきますっ!!」


「それはダメ。」


「ちっ、、じゃあ私もデート権で、、。」


「わ、分かった。じゃあ、俺が勝ったらどうしよっかなぁ〜?よし、この前のお願いを無かった事にしよう!!」


「ええーーーっ!!?」」


「それは、あんまりではありませんかっ!?」

「そーだそーだ〜っ!!」


「いやいや。この前のリベンジで、負けを取り返すんだから、取り返したはずの負け分が残ってるのはダメでしょ!」


「た、確かにそうですが、、。」


「あっれ〜っ?さっきまでの強気が嘘のようだね!?怖いなら止めたっていいんだよ?」


「い、いえ。やりましょう。バニーっ、絶対に勝つわよっ!!」


「分かってるわ!!」



「さぁ!いざ、勝負っ!!!」」」


と、船に乗り込み、沖合に向けて出航した。



こうして、またまた勝負に発展した訳だが、さすがに連敗は悔死(くやし)ぬレベルだ!!


何か必勝法はないかと、色々考えてみるのであった、、。




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