プロローグ2
「いや〜、久しぶりにログインしようと思った日が、ちょうどサービス最終日だったなんて」
そう言いながら、久須 真鳥は『ヴァルハラの園』にログインする。早速、『ヴァルハラの園』のエリアのうち、リスポーン地点に設定している『荒野』の風景が現れる。
久須 真鳥 二十一歳。『ヴァルハラの園』において、最強の称号を得た半・引きこもりだ。株の投資とコンビニバイトで金を稼ぎ、余った金は全て『ヴァルハラの園』などゲームの課金に回す、ゲーム廃人である。
『ヴァルハラの園』は、剣と魔法、そしてスキルを駆使して、戦ったり拠点を作り上げたりするMMORPGだ。外見設定がプレイヤー自身ででき、また無数の職業がある、拠点のデザインもプレイヤー自身で作れるなど、物凄く高い自由度(製作者が放置しているのでは無いかと疑われるほど)を誇り、一昔前には大変人気を博したゲームである。
そしてそのうち過疎化が進み、ついに今日がサーバーダウンの日となっていた。
「いろいろあったなぁ。ひょっとしたら1番長く楽しんでたゲームってこれだったかも」
真鳥はそんなことを呟きながら、あちこちを歩き回る。荒野、火山、毒の沼、いろいろなところを歩きながら、『ヴァルハラの園』での出来事を振り返った。
「楽しませてもらったし、サーバーダウンまでずっと過ごすか」
そう言いながら真鳥は、時折現れる獣を倒しながら歩き回る。
こうして時間は過ぎ、夜中の11時59分を過ぎた。
(サーバーダウンまであと30秒)
だんだん周囲が暗くなっていく。
(5……4……3……2……1…………)
ゼロ。
と同時に、辺りがとても明るくなった。真鳥は昼間の、草原に立っていた。
読んで頂きありがとうございました!
「面白い」「続きが気になる」と思って頂けたら嬉しいです。
星評価、ブックマークよろしくお願いします。感想も、待ってます。




