ゲーム内で『恐怖の魔王』だった俺は、異世界で賢者を目指す

プロローグ１

　VRゲーム『ヴァルハラの園(その)』。仮想現実空間でプレイする、いわゆるMMORPGである。その世界のとある場所に、上位プレイヤーが何人も倒れていた。彼らの前には、たった一人のプレイヤーが立っている。

　ゆったりとしたローブにも見える、黒色で統一された服装に、嘲笑うような模様の描かれた白い仮面をつけている。地味な服装にも関わらず、覇者のような雰囲気を醸し出している。

「久しぶりにログインしたけど、やっぱりもう少し苦戦したいな」

　そのプレイヤーはそう呟き、立ち去った。

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