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096話 ◇◆会議前の入浴②◆◇


「ところで皆さんあの壁の向こうでクロさん達が会話してるの。 少し気になりませんか!?」


 吸血鬼カーミラがうずうずとしながら尋ねた。


「むしろ会話よりもクロさんの……」


 アリサがそう言いかけた——。


「ちょ、ちょっと!? アリサさん!? それはさすがにダメですよ!」


 顔を真っ赤にして目を瞑りながらブンブンと手をバタバタとさせるフラワー。


「そうですよ……! ク、クロさんのは……はだ——」


 そう言い顔が真っ赤になり鼻血を出して白目になり倒れるミーチェ。


「ちょっと、ミーチェちゃんが倒れたわよ」


「アリサさんが変な事言うからですよ」


 そう言いフラワーとアリサはミーチェを更衣室の休憩所まで運ぶのだった。


 「確かに気になるわね……ナルやクロとそして魔王アイム……同じ魔王としてどんな会話をしているのかしら」


 そう言い壁の隙間を覗こうとする魔王リーシャ。


——


「それにしてもクロ殿、お主魔王と一緒に行動しとるが……もし他の魔王率いる魔族と地上人の争いが起きたらどちらにつくのかね?」


「お……俺は」


 正直どちらにも、争い合って欲しくないのが本音だ。

 今回の会議で魔族が進軍しなかったとしても、地上人側の聖教会の人達が魔族に進軍する可能性だってある。


「ほっほっほ。 いじわるな質問をしてすまんかったな。 そこで即答で地上人と答えれないという事は——魔族に多少なりにも情が芽生えているのじゃろう」


 魔王アイムは笑いながら俺をポンポンと背中を叩いた。


「私もクロが即答で魔族を殲滅(せんめつ)するなんて言い出さないか冷や冷やしましたよ」


 ナルがほっとした様子で息を吐いた。


「それにしても同じ魔王として恥ずかしいのう。 覗きはよくないぞい」


 壁の隙間から覗いていた魔王リーシャがビクッと反応をする。


「え? 誰か覗いているの?」


「クロ、気付いてなかったのですか?」


「あぁ、真剣に考えてたからね」


 ナルはそれを聞きフッと笑った。


「まさかクロ達があんな会話をしてたなんてね。 でも魔族を見捨てたりはしないのね……」


 リーシャは、ニヤけた顔を隠そうと——お湯にもう一度浸かり顔を沈めブクブクと泡を作った。


「魔王様——私も実は聞いていましたよ。 ……クロさんって人間のくせに素敵な方ですね」

 カーミラがお湯に浸かりながらそう呟いた。




 



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