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086話 ◇◆嘘の診察◆◇


「ミーチェ、あんた今何やってるの?」


「これですか? クロさん達と合流出来る様にお祈りしているのです」


 ミーチェは歩きながら両手で手を組みお祈りしている。


「あなたねぇ、そんな事——神頼みにしなくてもいいじゃない……」


 魔王リーシャは呆れながらため息をつく。


「なんとなくお祈りした方が落ち着くのです」


「そうなの?そういえばあなた——笛あったわよね、何か演奏しなさいよ」


「どんなのが聴きたいですか?」


ミーチェは笛を取り出しながら質問をする。


「そうね冒険家の曲とかどう? 元気が出る曲とかがいいわ」


「わかりました! ではいきますね」


 〜〜♪


「ミーチェ、あんた本当に演奏——上手ね」


 リーシャに褒められニコッとしながら演奏を続けるミーチェ。


 ーーー


「ミーチェー! リーシャー!」


 俺達は奥に進みながら呼びかけたが相変わらず返事がない。


「クロ、奥に進んで大丈夫ですか? 入り口で待機した方が……」


 側近のナルが質問をする。


「この子の薬作りもあるし、奥に進もう。 それにミーチェとリーシャだから適切に判断して行動してくれると思うよ」


「宝箱開ける人とその罠に一緒に飛び込む人がですか?」


 アリサは余計に心配になる様なことを言った。


「2人ともここぞと言うときは——冷静に行動しますからね」


 フラワーはそっとフォローを入れた。


「ん、ちょっとまって。 前に人影が」


 俺は皆を止めて——近くにある洞窟の岩陰に隠れた。


 どうやら男2人組のようだ。


「それにしてもラトン先生、性格悪いですね」


「何がだ?」


 ”ラトン先生”と呼ばれている男は少し太っていて、片目に傷がついていた。


「この前おじいちゃんを連れて来たガキいたでしょ? あの子に言ったの嘘ですよね?」


 どうやら先生と呼んでいる彼は助手の様だ。

 よく見ると沢山の荷物を持たされていた。


「お前はどこまでが本当だと思う?」


 ラトン先生が助手に尋ねた。


「え? あなたが言ってた事、全てが嘘だと思ってますよ」


「全部ではない。 治る素材がここで手に入る。 ここは本当だ。 ただ……ここの素材で作る薬だけが唯一治るわけではない。 ポーションや回復魔法やスキルでも治る」


「なるほど」


「覚えておきなさい、全て嘘をつくとばれるが……本当の事の中に嘘を入れると——皆信じるものだ」


 ラトンという男は少し自慢げに話した。


「どうせここに来れる訳が無い。 素材は集まらないのだから、また診察に来るだろう。 どんどんお金を搾り取ってやろう」


「そういえばここには、何か目的が?」


 助手はラトンに尋ねた。


「宝がここにあるらしいぞ。 見つけたら大金持ち間違いなしだろ?」


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