083話 ◇◆誤解◆◇
「なんで私の部屋にいるんですか!? 私、昨夜の記憶全然無いのですが……」
「あぁ、ごめん。 アリサをここに連れて来たーーいつの間にか寝てしまったよ」
「え!? クロさんが私をここに連れて来たのですか!? 何の為に!?」
アリサは真っ赤な顔を押さえながらおそるおそる尋ねた。
「え? アリサが酔っ払って寝たからここまでおんぶして運んだんだよ」
「おんぶ?」
アリサは固まる。
「え? おんぶしてもらってたの? クロさんがおんぶしてくれてる時くらいーー起きときなさいよ。 私のバカー!」
アリサは心の中で叫んだ。
「クロ様! アリサさんの部屋で何してるんですか!?」
フラワー達がドタドタと走って来た。
「クロさんはアリサさんを選んだのですね……」
ミーチェはぷるぷると両手をお祈りをしながら言う。
「2人とも何を言っているんだ?」
「なんだか面白い事になってるわね」
「魔王様もーー混ざらなくていいのですか?」
「こういうのは、当事者になるより傍観者の方が楽しいのよ」
魔王リーシャは笑いながら言った。
「クロ様、どういう事か説明していただいても!?」
「さっきも説明した気がするけどーー」
その後俺は誤解を解くのにかなり苦労した。
——数日後——
「クロ様今どこに向かっているのですか?」
フラワーが俺に質問をした。
俺達は街の外に出ていた。
「あぁ、ちょっと洞窟に行こうかなと思ったんだ」
「洞窟ですか?」
「うん、昔からある洞窟なんだけどーー最近モンスターが出現する様になったらしい。 と言っても洞窟から出て来ないらしいから街に被害はないけどね」
「クロさん、モンスターが洞窟から出ないならーー何か洞窟に行く目的があるのですか?」
アリサが俺に尋ねた。
「あぁ、洞窟の中に何かお宝があるらしい」
「お宝ですか?」
ワクワクしている様子のミーチェ。
「もしかして洞窟ってあれですか?」
洞窟の入り口には門番がいる様だ。
「街の人が間違えて入らない様にしているのかな?」
俺はそう言いながら洞窟に入ろうとした。
ガッとクロは門番に腕を掴まれた。
「ここは元々教会の土地でね。 最近冒険者が多くてね。 沢山来て困るから入場料30J (ジニー)回収しているんだ」
ジニーとはこの世界での通貨で価値は銅貨は1ジニー、銀貨は10ジニー、金貨は1000ジニー相当だ。
「なるほどな」
教会が洞窟に入った話は聞いたことがない。
この洞窟に宝があるという噂を聞いて洞窟に来る冒険者が増えた時にーーお金になると思い、門番と入場料を導入したのだろう。
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