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079話 ◇◆撤退◆◇



 アザゼルは魔力が凝縮された黒い球を掌に作り、スッとマールに向け手を構え、照準を合わせた。


「あの球かなりの威力がありそうです! どうしましょう。 クロ様、間に合いません!」


「……」


 俺は黙っていた。


「今回は素直に認めよう。 俺達の負けだ。 だが俺達なりに爪痕を残させてもらうよ」


 アザゼルは黒い球をマールに向かって投げた。

 マールは一瞬の事で躱せそうにない。

 ビートも飛び出そうとするがさすがのビートも追いつける距離ではない。

 誰もが間に合わないと思った時……

 アザゼルの放った黒い球はマールの目の前で跡形もなく消えたーー。


「ん? なんだ今のは? 不発か?」


 アザゼルは急いで、もう一発分の球を作ろうとした。

 しかし球が全く作られない。

 それどころか魔力が全く感じられない。

 アザゼルはアポリオンの方を見た。

 アポリオンも両手に砂鉄が全く無く、魔力が無い様だ。


「魔法陣発動の時間だ。 間に合ったな」


 俺はほっとため息をつきながら言う。


「相手の魔法を打ち消す魔法陣ですか?」


「ビートいい線いってるね。 魔法を打ち消すのでは無くここにいる堕天使の魔力を空にする魔法陣だね。 術書で書いていたのをちょっと自分でアレンジしてもっと強力にしたけどね」


「どのようなアレンジを加えたのですか?」


「あぁ一旦魔力が空になっても1日寝たらある程度回復するだろ? それを回復しない様に手を加えたよ」


「そんなバカな魔法陣が作れる訳ないだろう」


アザゼルは鼻で笑い、アポリオンの方に顔を向ける。


「魔力が空では何も出来ん。 撤退だ。 戻るぞ。 絶対死ぬなよ……」


「分かりました。 アザゼル様」


「クロ様、どうします? あいつら逃げて行きますよ……」


「魔力が空の堕天使達が今後どうなるかは知らないけど、魔力がない以上何も出来ない。 見逃してやろう。 むしろ今後の彼らの事を考えると、気の毒に思うよ」


「クロー!」


 マールは俺に抱きついてきた。


「堕天使2人来た時は、全滅を覚悟したわ。 さっきの話聞いてたけど私を狙った球を消したのあなたのおかげなのね……」


「あぁ、一応準備しておいたんだ。 よかったよマールも無事で」


「あうぅ……キュン」


 マールは顔が少し赤くなった。


 ビートはその様子を見て少しニヤニヤしている。


「クスッ。 また分かりやすい人がここに……」 





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