076話 ◇◆弱点◆◇
「お前いい線いってたけどな。 惜しかったな」
堕天使アスタロトは余裕そうに話を続ける。
「何の話だ?」
「見ればわかるだろ? 俺はピンピンしてるけど、お前はもう疲れ切ってる。 消耗戦になったら勝ち目はないって事ぐらい」
「いや、まだわからないぞ?」
側近のナルは攻撃を止める気配はない。
「はぁ……。 お前がここまでバカだったとはな」
ナルは銃剣で突く動作をしていたが、銃の引き金に指を置いていた。
「タイミングを伺っていたの気づかなかったみたいだな」
「なんだと?」
ナルは、アスタロトの頭の上に銃口を向けた。
--ズドンッ パキン
「……お前、堕天使の弱点に気付いていたのか?」
「堕天使の弱点は頭の上のーーその黒い輪っかだろ?」
アスタロトの輪っかにヒビが入りポロポロと崩れ始めた。
「お前の方こそ気付いてなかったんじゃないのか? その輪っかに攻撃を”絶対”受けない様に動いてた事に」
「お前は”俺に攻撃を当てるため”に攻撃していたわけではなくーー俺の”弱点を見つけるため”に色んな箇所を攻撃していたのか?」
「苦労したよ。 どこかに隠してると思ったら、初めから見えている輪っかが弱点だとは思わなかった」
「くそっ……」
アスタロトは輪っかが全て崩れ落ちると同時に体が消えた。
「堕天使の弱点の事を他の人に言わなければ……」
ナルは他の人の元へ行こうとするが力が入らないようだ。
そこへーー。
「ごめん、遅くなった! って、あれ?」
俺が急いで駆けつけてきた。
「クロ、聞いてください。 堕天使の弱点が分かりました。 弱点は堕天使の頭上の輪っかです。 私はちょっと動けそうにないので後は任せますよ」
「ナル、有難う。 1人で戦わせてごめんな」
クロは耳に手を当てテレパシーで他のメンバーに伝える。
「……アリサ、後衛組聞こえるか?」
アリサと後衛のフラワー、ミーチェ、魔王リーシャは急いで耳に手を当て返事をした。
「聞こえますよ、クロさん」
「……聞こえるわよ。 テレパシーって耳に手を当てなくても聞こえるのね」
リーシャが言った。
「……あぁ、あの後またテレパシーを使って実験していたんだけど、俺の声は皆が耳に手を当てなくても聞こえるみたいだ。ーー返事が聞こえないから話す時だけ耳に手を当ててくれ」
「……なるほどね、分かったわ」
「……堕天使の弱点をナルが見つけてくれた。 弱点は頭上の輪っかだ」
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