075話 ◇◆摩擦熱◆◇
「アリサ、まだ残ってるじゃないか。 ったく」
そう言いフレイムは、ガチンガチンと両手にはめた籠手をぶつけ合っている。
ぶつけ合っている籠手から摩擦による熱が発し籠手から体全体へと熱が伝わる。
フレイムの体温はどんどん高くなり体全体が炎で覆われた。
「へっ、これでもくらえ!」
フレイムは腰と膝に力を入れ大きく拳を繰り出す。
その瞬間巨大な炎の拳がフレイムの手から現れ、魔戦士達を次々となぎ払う。
拳に触れた魔戦士達は一瞬で炭へと変わっていた。
「あっ! 技名! 考えてなかった!」
フレイムは頭を抱えながら言う。
「フレイムあなた……ほんと能天気ですね」
「そうか? これ終わったら何食べようかとかーー真剣に考えてるぞ?」
「そういうところですよ」
「アザゼル様、魔戦士の軍団の第1部隊が2人の人間に全滅させられた様です」
堕天使サマエルが堕天使アザゼルにテレパシーで連絡する。
「あぁ俺も見ていた。 あとついでに言うと、あいつらは人間ではない。 擬人化しているだけで龍だよ」
「そうなのですか? なるほど、龍だったのですね……。 我々も向かいますか?」
「いや、先にそれ以外の前にいる奴らを叩こう。 あいつら2人の龍と……アスタロトと戦っている奴もなかなか優秀だがそいつらが主戦力だろう」
「後衛側の奴らのーー遠距離攻撃もなかなか強いが、あいつらは放っておけ。 前にいる奴らが崩れれば後ろにいる奴らだーー近接が苦手の連中に違いない。 前が崩れれば総崩れするだろう」
「なるほど、他の前衛側を先に叩きましょう」
「ああ、まわりのザコ達を倒した後に、あの龍どもと後衛を叩こう」
ーー
「ふう、これでよしっと」
「クロ様、ナルさんの援護しなくてもいいのですか?」
ニュッと袋から顔を出して質問をするビート。
「そろそろ援護しようと思ってたけど、準備がまだ終わらなくてね……」
「って——うわ、びっくりしたよ。 擬人化したビートの姿はいまだに慣れないからね」
--スススッ
俺は自分の血で地面に文字を書いていた。
「前回とは違う見た事もない魔法陣ですね。 また何か企んでるんですか…。」
ビートはそっと呟いた。
「まぁ一応ね。 アリサ達やマールさんーー後ろで援護してくれてるフラワー達。 皆強いから要らないかもしれないけど念には念をってやつだね」
「なるほど……」
魔法陣を見ながらビートは頷いた。
「前回みたいにH Pが減ったりするんですか?」
「あぁ、別の人が書いた魔法陣を書き換えてる訳ではないからーー大丈夫だよ」
そう言いながら俺はせっせと魔法陣を描く。
「……。 よし、これで終わり。 さてと、ビート。 一緒に堕天使狩り行くかい?」
「もちろんです。 クロ様、擬人化解いた方がいいですか?」
「このままでいいよ。 ビートがやりたい格好で大丈夫」
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