071話 ◇◆堕天使◆◇
ーーその頃
「おいおい、俺達が襲撃しようとしてた——位置に何か群がってるぜ」
「行動がバレてたのかもしれんな。 だが勇者の姿が見当たらないな」
「まじかよ? 勇者抜きで俺達と戦う気かよ」
--グビッグビッ
「おい、アスタロト。 作戦前に酒はやめろ」
堕天使サマエルがため息をつきながら言う。
「カッ、いいじゃねーかよ酒くらい。 なぁアポリオン」
堕天使アスタロトは瓶を逆さにして下を出している。
「それくらい許してやれ。 今日がアスタロトの命日になるかもしれないだろ? サマエル」
顎髭を触りながら堕天使アポリオンは言った。
「——なんだと? へっ、勇者抜きのあいつらなんて俺1人で十分だぜ」
「おい、アスタロト……ったく、どうしますか?アザゼル様」
「好きにやらせろ。 相手の実力も分かるしちょうどいい」
堕天使達の中央に立ち冷静に指示を出すアザゼル。
「おい、アスタロト。 今回の為に準備した出来損ないの魔戦士達はお前の自由に使っていい。 俺達は各自散けて行動するぞ」
「へっ、了解だ。 一足先にひと暴れしてくるぜ」
堕天使アスタロトは瓶を投げ——そのまま羽を広げその場を離れた。
「了解です」
他の堕天使達が返事をする。
「さぁ、狩りの時間だ」
——
「指揮官! 空の上を!」
傭兵団の1人が指を差した。
「うむ、お前達! 作戦開始だ!!」
〜〜♪
「——赤の音色!」
ミーチェの笛の音色で作戦に参加している全員に身体能力上昇が付与された。
「おらおら、いくぜいくぜ!」
「フレイム、あんまり突っ走らないでくださいよ。 クロさんに迷惑がかかりますから!」
アリサがグングニルを回転させながら注意する。
「なんだよ、アリサ。 お前気合い入ってんじゃん」
「それは気合入りますよ。 クロさんと近くで戦えますもん」
「フレイムってその籠手を試験後に貰ったのか」
「あぁ、斬ったり突いたりする武器は苦手だからな。 ラッキーだったわ」
「魔王様……大丈夫でしょうか」
「ナル、心配なのは分かるがあいつも災厄だぞ? 簡単にやられないって。 それにあいつは後衛なんだ」
俺は側近のナルを励ました。
「いえ、そうではなくて。 魔王様が何かの拍子にブチ切れて——ここら一帯を吹き飛ばさないか心配なのです……」
「あぁ、そういう心配ね……」
心配して損した気分だ。
「何か構えてやがるぜ。 地上人共、あいつらーー勝つ気でいるのか? カッ。 これは面白いぜ」
堕天使アスタロトは見下ろしながら言った。
「ゴガアアアアアアア」
「ハハハ。 隠れてるのかと思ったが本当に勇者がいないじゃねーか。 このアスタロト様に付いてこい。 魔戦士達——」
堕天使アスタロトと大量の魔戦士達が近づいてくる——。
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