007話 ◇◆次の目的地◆◇
「せっかく、助けたのに恩を売らなくて良かったんですか??」
すこし不満そうにアリサが言う——。
「だってクロさんを追放した人達ですよね?? はぁ……いっそ殺してやりたい」
「アリサ落ち着くんだ。 なぁフラワーも殺しは良くないと思うよな??」
「え? 追放したんですよね?? 私はアリサさんに賛成ですよ」
「これまでみた事がないほどアリサもフラワーも怖いな」
——と心の中で俺は呟いた。
「顔合わせづらいしこれがいいんだよ。 俺のために怒ってくれて、2人ともありがとう」
正直俺自身——なぜ助けたのかわからない。
もちろん許してはいない。
パーティーを追い出され好き放題言われて許せるはずがない。
だが俺は彼らを助けたのだ。
「クロさんがした行動自体は素敵だと思いますけどね」
相変わらずのアリサである。
もちろんその時の俺は気付いていなかった——。
「そんなことより次に行く場所を説明したいと思ってるんだ」
「おお。 次はどこへ!?」
アリサとフラワーは目をキラキラ輝かせた。
「次は俺の故郷アルビオンに行こうと思う。 ちょっと欲しいものがあるんだ。 この時期は雪が降って、とても寒いから——明日買い物でもしよう」
「おおおおお! クロさんの故郷!!! 買い物………デート」
「故郷に買い物に楽しみです。 クロ様!」
◻︎
ちゅんちゅん
「朝だぞ? 二人とも起きろー。 散々楽しみにしていた買い物に行くぞ」
「私は起きてますよ、クロ様」
「うーん、あと3時間寝かせて……」
ボサボサの髪——それに枕によだれを垂らし気持ちよさそうに寝ているアリサの姿がそこにはあった。
「フラワー、アリサは置いていこう」
「……そうですね」
--ドドドドドドドド
「まっで! ごべんなさい! 急いで着替えるから!!——置いてかないで!!」
急いで出てきたであろうアリサの姿があった。
気のせいだと思うがアリサが少し涙目になっていた気がする。
「はやくしないと本当に置いていくぞー」
「アリサさんはやくー!」
□
時は少し遡り——とある暗い倉庫
「くへへへ。 この街だな?」
「どれどれ、これがアルビオン——ね」
「アルビオン、スカイ、それから……」
何箇所か地図に指を差す大柄の男。
「アルビオンの次はスカイってところに行くんです?? ゼラの兄貴」
「バカか、一箇所ずつ回るなんて効率が悪すぎるだろ」
「確かに、二手に分かれるのですね?ゼラの兄貴」
「そうだな——お前はアルビオンだ。 俺様は先に空の上の島スカイに行く。 お前も仕事終わったらスカイに来い」
「あいあいさー」
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