066話 ◇◆知らなかったんだ◆◇
「イリーニャさんのお相手は勇者のユウトさんだったんですね。 なんだかこっちまで嬉しくなっちゃいます。 一緒になれて本当に良かったですね」
フラワーは、にっこりと微笑みながら言う。
「あぁ、俺も2人を見ていてなんだか感動したよ」
「2人が幸せになるように皆でお祈りしましょう」
ミーチェはお祈りをした。
しかし何も起こらなかったーー。
「勇者さんは今後どうするんですかね?」
「どうするって?」
「元々彼女も騎士学校通ってたし、ユウトも近くの方が守れるし、何よりもう離さないってーー言ってたよ」
「キャー。 ちょっとユウトさん見直しちゃった。 私もクロさんに言われたい!」
アリサはキャッキャと恋話を聞く乙女になっている。
「ほら、フラワーちゃんも顔真っ赤になってますよ」
「なってないですー!」
フラワーは顔を膨らませているが本当に真っ赤だった。
「魔王様もそういう相手が見つかるといいですね」
「それは、遠回しに私をバカにしているのかい?」
「いえ、まったく」
側近のナルは少し魔王リーシャと距離を置いた。
「災厄に備えての召集がかかったのだけどーーアリサ達来るかい?」
「え? でも私達、試験参加してないですよ?」
「いつも居るメンバーの方が連携がとれるから、一緒に来て良いそうだ。 10人までっていう人数制限はあるけどな」
「10人なんてウチにはいないですし、関係ないです! 今回は”ただ待つ”をしなくていいのですね!」
「ーー災厄がくるですって!? 大丈夫なの!?」
魔王がおそるおそる尋ねる。
「魔王様……貴方様が言うとギャグになるので……」
「何よ?」
「リーシャさんも災厄指定されてますよ?」
「え?」
「え?(知らなかったの?)」
「そんな……。 魔王城に引きこもってる間に私が災厄認定されてるなんて……。 私、何か災害になるような事をしたかしら……」
「そうですね。 なんだか暑いと言って猛吹雪を起こしたり、魔王様に喧嘩を売ってきた異星人を星ごとーー根絶やしにしたこともありましたよね。」
「ちょっと、待ちなさい! 確かに猛吹雪はあるわ。 でも異星人を根絶やしになんてしてないでしょ! 本人と家族を呼び出してボコボコにしただけでしょ! 話を盛るな!」
「あっ。 ーー本人と家族はボコボコにしたんだ」
俺達は、魔王怖いとつい思ってしまった。
「そういえば、災厄の場所ってどこなの?」
「わからない、一旦安全なところに集合するようだ」
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