064話 ◇◆イリーニャ◆◇
——ある小さな村に仲の良い男の子と女の子がいました。
男の子は街の平和を守るため騎士になる為の勉学に励んでいました。
女の子も男の子と少しでも一緒に居たいと思いこっそり騎士の勉学に励みました。
女の子はその男の子が好きでした。
「私ね、大きくなったら◻︎◻︎◻︎君のお嫁さんになるんだ」
「本当にー? なら俺もお婿さんになる!」
小さな村の小さな少年少女のほんの小さな約束——。
それから少し時間が経ち2人とも騎士の学校に入学……。
その後、無事卒業し、男の子は立派な騎士となりました。
今は騎士ではないけど、世界の平和の為に今も戦っている——。
「女の子はどうなったの……?」
「その女の子は、卒業する前に災厄に巻き込まれて死んでしまいました。 この前みたのですが彼は——表向きではすごく明るいのですが、どこか寂しそうなのです……」
「その女の子ってもしかして……」
「そうです。 私です……」
「うぅ……。 私ちょっとお花摘んでくるわ」
魔王リーシャはうるうるとした顔を隠しながらその場を離れる。
泣き顔を見られたくはなかったのだろう。
「申し遅れました。 私、イリーニャと呼んでください。 彼の事を見守りたいのですが……。 今はこうして透けている程度ですが。 私の魔力がもう尽きそうで……。 そうしたらもう彼を見ることが出来ない……」
「俺に何かできるのか?」
「私をテイム していただけませんか……?」
「テイムを?」
俺はビックリして聞き返した。
「そうです。 テイムをしていただければ、私はあなたの魔力を供給していただき私を維持することが出来ます。 魔力を供給しろなんて虫がいい話なのは分かっていますーー何でもするので……」
幽霊のイリーニャは真剣な表情で俺に願い求めた。
「いいけどーーその後はどうするの? 俺はその”彼”が誰かわからないよ」
「あなたと一緒にいればすぐに会えると思うのです。 それに……この前”彼”に会っているのを私見ました」
イリーニャは呟いた。
「テイムはするけど俺は君に戦いとかーーそういうのは何も頼まないから安心して」
「有難う御座います」
こうして俺はイリーニャをテイム した。
それからイリーニャの言う彼を探したのだが見つからなかった。
ーーー
その数日後、俺の元に1通の手紙が届いた。
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