061話 ◇◆炎龍◆◇
「近々、災厄が訪れるからな、それを阻止するためのメンバーを募集したのは分かっているだろう? その時が来たらお前達に手紙を送る。 その時は宜しく頼むぞ」
「これって武器だけもらって災厄の時は、来ない人とか出るのではないのかい?」
「あぁ、それは困るからな。 契約書にサインをしてもらった後で武器を渡すことになっている」
カラスは淡々と話す。
「なるほど……」
契約書にサインをすると言うことは滅多なことでは破棄できない。
破棄できたとしても信用を失う事になるだろう。
——武器受取所——
「お疲れ様です!」
この試験の受け取りカウンターの女性店員が笑顔で出迎えてくれた。
「こちらが今回の報酬になります」
「あぁ、ありがとう」
俺は武器を受け取った。
「今回の合格者3人だったみたいですね」
「あぁ、本当はもっと試験があるのかと思ったんだけどね」
「普段なら最低あと1回はあるんですよね。 今回は参加者の実力差があまりにも——ありすぎると試験官も判断したんでしょうね」
「そうだったのか。 だから早く終わったのか……。 ところで合格者ってまだ残っているの?」
2人の話をもう少し聞いてみたいと思ったのである。
「小さい方は先に帰られましたね。 もう1人の方でしたらこれから武器をお渡ししようと思っているので」
「なるほど」
「おお、クッちゃんまだ居たの」
フレイムの声がした。
「そうだ、もうちょっとフレイムと話をしたいと思ってさ」
「おお、いいね。 武器受け取ってくるから少し待ってて」
フレイムは慌てて武器を受け取る。
「ご飯でも食べながら話すか」
「クッちゃんの奢りなら」
「この……。 仕方ないな」
「ごめん、うそうそ」
フレイムは笑いながら言った。
——とあるレストラン——
「クッちゃんって龍とかいるって信じる?」
フレイムは唐揚げを頬張りながら尋ねる。
「2体くらいみてるしな。 1体は一緒に行動してるし」
「まじで? 誰と!?」
「一緒に行動してるのはアリサだよ。 見たことあるのはオルカだね」
「まじかよ。 あの雷龍と一緒に行動してんのか。 クッちゃんまじで面白いな。 あいつ人間あんまり好きそうなイメージなかったから意外だわ」
「そういえば、最初はかなり威嚇してたな……」
「なるほどなーー。 クッちゃんが、ますます好きになったぞ俺」
「逆に訊くけど、フレイムはなんでそんな質問するの?」
「いや、同胞の情報は訊きたくなるものでしょ」
「え?同胞ってーーフレイムお前……」
「あ、言ってなかったんだっけ? 俺、アリサやオルカと同じ龍だよ。 炎龍のフレイムとか聞いた事ない?」
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