057話 ◇◆最初の試験◆◇
サングラス男は辺りを見渡す。
参加者募集を締め切ったのだろう。
「俺は試験官のカラス」
とサングラス男は名乗り説明をする。
どうやら伝説の武器は複数用意しているらしい。
最後まで残ったものにランダムで配布されるようだ。
なぜランダムなのか疑問に思ったがーーどうやら、渡した後は交換するなり、奪うなり自由にしろって事らしい。
そのまま、話が長くなると思っていたが
「まずはスキルが使えるかどうかの最初の試験をしようか」
サングラスをかけた男が言う。
「たまーにいるんだよ。 スキル使えないけど来る人が。 今回はそんな人いないだろうけどな」
「皆のスキル発動させて確認するのか?」
俺はサングラス男に質問をした。
「本当はそれが一番だけどな。 それだと時間がかかりすぎる」
そう言うと——ビー玉のような透明な玉を参加者に配る。
「今、俺の目の前に水の入ったコップがあるだろう。 正確には、水ではなく——魔力に反応する水なんだけどな」
そう言い先程、皆に配布した透明な玉を水に落とした瞬間——。
--パリーン
コップが粉々に割れて水が飛び散ってしまった。
「ここで落とした後に、何も反応がなかったものはスキルを使えない無能。 もしくは雑魚スキルだ。 その者は即刻退場してもらう」
「では、順番に始めてくれ」
「最初は俺がいくぜ」
そう言うとムキムキの男が透明な玉を落とした。
--シーン
「おい、これって……」
「初っ端かよ」
「おい、あいつを摘み出せ」
「では次、始めてくれ」
次の人が透明な玉を落とした瞬間、水の色が赤色に染まる。
ある人は、落とした瞬間水が無くなり。
またある人は、落とした瞬間水が溢れ出す。
「次は僕が落とすね」
先程の少年が手を上げ名乗り出る。
水に透明な玉を落とした瞬間——。
水がパキパキと氷になってしまった。
「前回の参加者に氷になったやつが1人いたな」
カラスは小声で呟いた。
「次で最後だ。 始めてくれ」
俺の番が来た。
「どういう反応をするのか楽しみだな」
そんな甘い考えが自分にはあった。
だが透明な玉を落とした瞬間——。
「あれ?」
「また何も反応しないのか?」
「おいおい、うそだろ。 何も反応がないわけ——ないだろ」
俺は悔しがりながらコップを見た。
コップに透明な玉を落とした時よりも、微々たる波紋が広がっている。
--ポツポツ ザーー
「おいおい突然の雨か!?」
「いや、違う。 こいつの水の反応が雨を降らしただけだ」
カラスは冷静に言ってはいるが内心驚いている。
「ここまで大規模な変化をしたのはこいつが初めてだ……」
「これ、俺は試験大丈夫なのか?」
「あぁ、もちろん。 前例がない反応に驚いてただけだーーすまない。 君の名前を聞いてもいいか?」
「クロ・エンジュだ。 次の試験も宜しく頼む」
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