056話 ◇◆参加者◆◇
〜〜日、当日
おじいさんから貰った地図を頼りに大魔祭を目指すクロ。
本当はアリサ達も一緒に連れて行きたかった。
だが、個人での参加という事もあり、仲間内でもし争うことがあるかもしれない。
それは普通に嫌だ! と俺は思いーー1人で来たのだ。
「ほー。意外と人がいるんだな」
俺は辺りを見渡した。
それなりに強そうな人達が揃っていた。
カシャンと銃の弾を装填している者。
目を瞑り瞑想をしている者。
ストレッチをしている者。
周りを観察している者。
「ねーお兄さんも参加者なの?」
俺に少年が話しかけた。
「そうだけど、もしかして君もなのかい?」
さすがにこんな小さな子供は参加しないだろうと一瞬俺は思った。
いや、うちの魔王もチンチクリンだったな。
見た目に騙されてはいけないか——。
「そうだよ、僕リピーターだしね」
「リピーター?」
「数年に1回開催されるんだけど毎回死者が出るからね。 頻繁には開催出来ないみたいなんだ」
「てことは、君はその前回の生き残り?」
「そうだよ」
「それと、どんな見た目の相手にも油断しちゃダメだよ……。 例えば僕とかみたいな小さい子とかね」
「普通の小さい子ならそんな事言わないだろ……」
やっぱり何かしてるのか——もしくは元々小さい種族のどちらかなのだろう。
「僕はね変身のスキルを使っているのさ」
俺が疑っている様子に気づいたのか、呆れたように言う少年。
「変身……? 変化と一緒なのか?」
俺は疑問に思った。
「普通なら驚くところだけど……。 さては君も似たようなスキルがあるんだね?」
「ーーしまった」
「君、分かり易すぎだよ。 次から気をつけな」
ぐうの音も出ない。
「でもなんで、変身してるんだ?」
「もし身内とかいて対策されたら嫌だしね。 それに小さい子って相手が油断するからーー楽なんだよ」
少年はニヤニヤしながら答えた。
「どうして俺にはこの事を言った?」
「君は前回の参加者には居なかったからね。 教えてあげてもいいかなと思っただけさ。 ただの気まぐれだよ。 お、きたきた」
「これで全員かな」
サングラスをかけた男が現れた。
「今回の参加者はーーまずまずだな」
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