055話 ◇◆災厄◆◇
「クロさん!」
「どうしたんだ? アリサ」
「今度の〜〜日に、冒険者を集めて大魔祭するそうですよ!」
「なんだよ、大魔祭って……」
「クロさん災厄ってご存知ですよね?」
「あぁ、この世を脅かす災害の事だろ?」
「実はリーシャさんも認定されてるらしいですけどね」
「あのおちび魔王が?」
「実は私も最近知ったんですけどね」
アリサは笑いながら言った。
「まぁ彼女の場合は本気で世界を脅かそうとする事は、ないと思うので大丈夫とは思いますけどね」
「あいつ、そんなにやばい存在だったのか……さすが魔王」
「ヘックチ……だれか私の噂してるわね」
俺達とは全然関係のない場所でくしゃみをするリーシャ
「近々何かは分かっていませんが、災厄が訪れるらしいので、それを阻止するためのメンバーを募集したいそうです。 それで強い人を集めるためにーーまずは試験があるみたいなんですけど」
「その試験を終えると商品もあるみたいです。 今回は伝説の武器とかなんとか」
「本当かよ。 怪しいじゃないか」
「むぅ。 気になりませんか?」
確かに多少気になる。
詐欺だったらその場からさっさと帰ればいい。
「集団での参加の募集とかあるのか?」
「いえ、これは個人での参加みたいですね」
「そうか、なら全員で参加できないな」
「むぅ。 どうせクロさん1人でーーこっそり参加してそう」
「ははは」
とはいえ、気になるのも事実。
情報があまりにも少なかったので、俺は1人でいろんな場所に聞き込みをしていた。
「え? 聞いた事ないなぁ」
「ごめんなさい。 知らないわね」
「知らないねぇ、そんなことよりお肉買わないか? 安くするよー」
そもそも大魔祭があるのが嘘なのかもしれない——。
そう思い次に聞く人を最後にしようと俺は決めたのだった。
「ほっほっほ。 知っておるぞい」
「本当か?」
初めて、知っていると言ったおじいさん。
もし嘘だったらその時はもう諦めよう。
俺はそう思っていた——。
「数年前、娘が参加するって騒いでおったからな。 フォッフォッフォ」
「そうなのか。 その娘元気にしてるのかい?」
「さぁな。 それから連絡がないからの。 前回と同じ場所だったら会場はこれに記されとる」
「これは地図?」
「そうじゃ、毎日見てたからな。 場所を暗記でもしたんじゃろ。 行く前に娘が置いていったんじゃがな。 ここで間違い無いと思うぞ」
「これ、くれるのかい?」
「もし娘と会った時はお父さんはーーいつでも待っとるぞと伝えといてくれんかの」
「娘さんのお名前は?」
「マールじゃ」
「あぁ、分かった。 約束する」
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