表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

52/140

052話 ◇◆殴る武器◆◇


「くっそ……。 そのうるせぇ笛を吹くのをーーやめろっていってんだろ!」


 男はミーチェに襲いかかる。


 だめだ、耳を押さえないと意識が飛びそうだ。

 だが意識が飛ぶ前にこいつを先に殺してしまおう。

 見張りの男は決死の覚悟でミーチェの笛を奪おうと手を伸ばした。


「きゃああ、襲わないで!」


 --バーーン


「へっ?」


 見張りの男は気がつくと宙に浮いていた。


「こ、こいつ笛で殴りやがった……。 笛は吹くものだろ……殴りでなんでこんな威力が……」


「ふ、笛は……殴る武器です!」


 ミーチェはそう言うと恥ずかしそうにーーそそくさと鍵を見張りの男から奪い檻の鍵を開ける。

 --ガチャ


「ありがとうございます」


「助かりました……」


「お礼はいいから早く逃げてください! まだここは会場の中ですよ!」


 ーーーその頃ーーー


「この娘、なんと冒険者で術師との事です!」


「おいおい、今魔法発動されたらどうするんだ!?」


「大丈夫なのかよ」


「安心を。 今は魔法を発動できない特殊な首輪を付けていますので」


 〜〜♪


「ミーチェさん……笛を発動したな。 しかも相当うるさい音色だぞこれ」


 俺は心の中で呟いた。


「なんだ、なんだ?」


「今、笛の音がした様な」


「少々お待ちください。 今確認してきますので」


 ケミカルはマヤを引っ張りながら通路の中に入る。


「くそっ。 こっちに来たぞ」


 俺は隠れる場所を探した。

 しかし隠れる場所が近くにない。


「変化のスキル」


 俺は急いで裏口の見張りに変化した。


「ちょうどいいところに。 先程、何か異変はありましたか?」


「あちらの方で音がしていました!」


 俺はピシッと背筋を伸ばし敬礼をした。


「そうですね。 急いで向かいましょう。 そういえば」


 ケミカルは立ち止まる。


「あなた、裏口の見張りをしていましたよね? なぜ音のあった場所とはーー反対側のここに来ていたのです?」


 ケミカルが一気に殺気を向ける。


「ちっ、このケミカルってやつ。 無駄に賢いやつだ」


 俺は両手を出し魅了しようとした。

 ——しかしケミカルが一瞬のうちに俺の両腕を抑えた。


「何か狙っていた様ですが残念ですね?」


「まんまとかかったな」


 俺はニヤッと笑った。


「マヤ、今だ! 逃げろ!」


 俺の両腕を抑えた為に引っ張っていた鎖を外してしまったケミカルーー。


「あなた……クロなの!?」


「そんなのどうだっていいだろ! 早く逃げろ!」


「ごめん!!」


 マヤはぺこっと俺に頭を下げて外に向かって逃げる。




下にある☆☆☆☆☆もし宜しければ応援よろしくお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ