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005話 ◇◆ガタガタのパーティー◆◇


 おかしい——。


「アーサー大丈夫?」


「あぁかすり傷だ。 だけどスノウウルフこんなに手強かったか?」


「いや——この前はすぐにスタミナ尽きてたから」


「だよな。 あの時も余裕の勝利ではなかったがここまで長引いた気がしない」


「この前のスノウウルフよりも小さいしレベルも低いはずなんだけどね……」


 カレンがぽそっと言うとアーサーは驚く。


「スノウウルフがこの前のよりレベルが低いだと??」


「そう言ったけど……」


 アーサーがレベル鑑定のスキルを発動すると


スノウ・ウルフ Lv16

 名前 なし

 性別 オス

 種族 獣種


 スキル 

 俊敏力【Lv2】

 氷耐性【Lv4】

 威嚇【Lv3】 

 氷魔法【Lv1】


 確かに、この前討伐したスノウウルフはレベルは30を超えていた。


 前回とこのパーティーの決定的な違いがあるとすれば………


「いや信じないぞ俺は——みんなの動きが初めての4人陣形で整っていないだけだ」


 アーサーは心の中でそう言うと、立ち上がり再び剣を構えた。


「くそっ。いくぞぉぉぉぉぉ」


◻︎


——その頃クロ一行——


「クロ様その子擬人化出来るそうですよ」


「え? そうなの??」


「先程、袋の中の彼女と——話して仲良くなったので色々教えてもらいました!」


「へぇ〜。 って彼女!? さっきの雷龍ってメス!?」


--もぞもぞもぞもぞ。


 袋から頭をぴょこんと出すと


「そうですよ! 名前はアリサって言うんですよ」


 と、金髪で瞳がガラスのようにキラキラした美少女が出てきた。


「アリサか いい名前だね 雷龍って言いにくかったし助かるよ」


「また命を狙われるかもしれないので、私もこのままついていきますね!」


「あぁまた勇者に襲われたら大変だもんな」


「伝説の勇者の剣をあんな簡単に引っこ抜く、クロさんには手も足も出ないでしょうけどね」


「いやいや……」


「それにレベルが」


 と言いかけたアリサを俺は急いで口を塞ぐ。


「一応ステータスを隠す隠密の魔法を使ってるんだ。 内緒で頼む」


「でも隠す相手なんているの?」


 キョトンとした様子でアリサが尋ねる。


「フラワーに怖がられたくないんでね」


 と俺はつい咄嗟に答えた。


「……かわいい人だな」


 ぷぷっと笑いながらーー心の中でそう思うアリサであった。


◻︎


 近くの街で宿を見つけた俺達はチェックインを済ませ——部屋で休憩することにした。

 俺達はお腹が空いた事もあり酒場で食事を取ることにした。

 もちろんアリサは擬人化している。


「だいぶ怪我が良くなって来たみたいだね——アリサ」


「はい。 クロさんの袋もふもふしてて気持ちがよかったです。 人間に助けられたの初めて………」


「そうか、それはよかった」


 少しアリサの頬が赤く染まっているが、俺は全く気づかなかった。


 すると別のテーブルから


「おい聞いたかよ。 この前揉めてたパーティーいただろ」


「あぁ、いたね」


「あそこの足でまとい君が追放されたってよ。 アーサーが飲みながら話してたぜ」


「まじかよ。荷物持ってくるだけのやつだったもんな」


 俺は、もくもくとご飯を食べているが今にも握り潰しそうなほど強くフォークを握りしめていた——。


「まぁそのアーサー達も今クエストで苦戦中らしいけどな」


「もう死んだんじゃないのか? 遅いし」


「まぁあのパーティー全員弱かったし、いつかそうなってただろ」


「ちがいねぇ。 ハハハハ」


「あんなやつらどうなったって知るか。 助ける義理なんてない」


 俺はボソっと言った。

 フラワーとアリサも先程の話を聞いて察したのだろう。

 無言でご飯を食べている。

 けれども別のテーブルのバカ騒ぎは止まらない。


「 魔法 サンダーボルト 」


 アリサが小さな声でそう囁くと


--ドーーーーーーン!!


 突然後ろの席に——落雷が落ちた。

 アリサは黙ってご飯をパクパク頬張っている。


「アリサ魔法を使ったのか??」


 小声で俺が聞くと


「もし私がしなくてもクロさんが魔法かスキルを使ってたでしょ」


 俺は彼女の答えに少し困ったがちょっと嬉しくもあり


「まぁね」


 と答え微笑んだ。


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