049話 ◇◆裏口◆◇
「……それでこれからどうします?」
アリサが俺に尋ねた。
「……オークションは全部の競りが終わってからーー支払い、受け渡しが始まる。 それまでに奴隷達が囚われてる場所を見つけ出そう」
そう言い俺達は裏口がないか探した。
「それでは最初の出品はこちらでございます!」
--ドワアアアアァァ
会場は大盛り上がりのようだ。
「……クロ様、あそこ2人程扉の前で見張ってますよ」
見るからに怪しい。
「……一通りみたが、怪しいのはここだけだな」
俺は2人の前に立った。
「ここは部外者以外立ち入り禁止だぞ」
「死にたくなければさっさと消えろ」
2人の見るからに悪そうな見張りが言う。
「……あまり騒ぎになっても面倒だ」
俺は瞬時に両手を2人に向け——。
「 複合スキル 魅了テイム 発動 」
「お前達は見張りを続けろ。 何かあっても異常なしとだけ言え」
俺は2人の見張りのーー耳元で囁く。
「イエッサー」
2人は小さな声で返事をする。
「……こっちは順調だ」
「……聞こえるかしら。 こっち側は入り口は見当たらないわ。 ハズレのようね」
リーシャは退屈そうに言った。
「……分かった。 このまま俺たちは行くから、そっちはオークションの様子を見ていてくれ」
そう言い俺達は扉の先を進むーー。
「はぁ一気に退屈になったわ」
「魔王様、私達はもう耳に手を当てなくてもいいのですか?」
「ここは観客席よ。 競りに参加したり裏口を探すならともかく、待機するだけなら、こっちの方が怪しまれないわ」
観客席は競りの客席より遠い。
「雰囲気だけでも楽しみたいのかもしれないけど、観客席にいて何が楽しいのか疑問だわ」
「クロさん達、大丈夫かな……」
アリサは心配そうに言った。
「あの人達の事だから心配はいらないわ。 それにせっかく外に出たのだからーー外の醜い部分もこの目に焼き付けておかなくちゃね」
魔王リーシャは真剣な表情で呟いた。
「……私達がきた道も含めて分かれ道になっていますね」
「……あぁ、フラワー。 多分だけど奴隷が収容されてる場所とオークションの出品の舞台に繋がっているんだろう」
「おら! さっさと前歩け!」
「……声がした。 隠れるぞ」
俺達は近くにあった物陰に身を潜めた。
「痛……。 離しなさいよ!」
「……あの人、クロ様の知り合いでは?」
「……あいつこんなところで何をしてるんだ?」
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