047話 ◇◆テレパシー◆◇
ーーーとある酒場ーーー
「近々行なわれるらしいぞ……」
「行なわれるって何がだよ?」
「奴隷オークションだよ」
「おいおいまじかよ?」
「今回こそは参加してみたいよな」
「もちろんだぜ。 奴隷1人増えるだけで仕事が楽になるってもんだ。 ガハハハ」
「色んな種族が出品されるからな。 今から楽しみだぜ」
「この前、卵も出品されたんだよな?」
「前回の開催から、もう何年も経っちまってるもんな。 孵化してーー立派な奴隷になってるだろうな」
「一から育てるってかなり金かかるぞ? 俺は嫌だね」
「それもそうだな。 俺も嫌だわ。 ガハハハ」
◻︎
「フラワー……この前レナから訊いたんだけどな」
「レナ王女様ですか。 何を訊いたのです?」
「……近々、奴隷オークションが行なわれるらしいぞ」
「本当ですか?」
「あぁ、△△日だそうだ。 場所はドレイシティで行われるらしい」
「奴隷オークション止めたいですけど、着く頃にはもう始まっていますね……」
「オークション中に何があるかわからない。 人が多いところで、アクシデントはつきものだろ?」
俺は不安そうなフラワーに言った。
「…ありがとうございます!」
「ねぇ、それ私が飛ぶ前提でしょ? もう話勝手に進めて……」
アリサはため息をついた。
「まぁ、フラワーが行きたいって言ってるんだから飛ぶんですけどね」
「やっぱりアリサは優しいな」
俺は微笑みながら言った。
「ちょ……え!? これ何? 夢ですか?」
アリサは顔を赤くしてジタバタしている。
「いつものアリサさんですね」
ミーチェは呆れながら言う。
「こいつ、ほんと分かりやすいわね」
魔王リーシャはため息をついた。
「魔王様、ここにいる人達ほとんど分かりやすい人達だと思いますよ」
ナルは微笑みながら答えた。
「そういえば皆、少し耳に手を当ててみてくれ」
「こうですか?」
フラワー達は耳に手を当てた。
「……聞こえるか?」
皆にクロの声が聞こえた。
「はい、聞こえました…ってクロさん喋ってないですよね?」
「……そうだ。 これはテレパシーってやつだな」
フラワー達は驚きのあまり平静を失う。
「……フラワー、ちょっと声を出さずに頭に思い浮かべてみてくれるか?」
「……こんな風にですか?」
「……お、きちんと出来るな。 この前のゴブリンのーースキルはこれだよ」
「……あの時、教えなかったのって実際に使ってみてビックリさせようと思ったんですね?」
アリサはため息をついた。
「……まぁそんなところだ」
俺はズバリ当てられて少し恥ずかしくなった。
「……とりあえず、奴隷オークションの中ではこれで会話をしよう。 2つのグループに分かれて行動しようと思っているんだ」
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