046話 ◇◆ゴブリンテイム◆◇
俺達はモンスターが出没する森に来ていた。
「クロさん森に来ましたけど何か用があるんですか?」
「あぁちょっと噂がーー本当かどうか調べたいんだ」
「どうせ何か企んでるんですよね?クロさん」
アリサは呆れながら言う。
「うーん、まだどうなるかわからないから内緒だ。 この辺かな? 適当にモンスターを見つけて…」
「クロさん、何か思いついたんです?」
「お、あそこにゴブリンがいるな。 フラワー、短剣で軽くあいつをケガさせてくれ。 間違っても倒さないでくれよ」
「わかりました」
フラワーは勢いよくゴブリンの前に飛び出し、短剣で光を放つ。
目を瞑ったゴブリンにフラワーは短剣で軽く傷をつけた。
ゴブリンは急いで目を開けたが、その時にはフラワーの姿はなかった。
「上手だな。 フラワー」
フラワーはクロ達が隠れていた木影に戻っていた。
「あ、ありがとうございます! クロ様」
「このままどうするか待機だ」
「これは何をしてるのかしら?」
「魔王様、私に聞かれても困ります」
「縺願?縺吶>縺……」
ゴブリンは耳に手を当てーー何か話してるようだ。
「あ、別のゴブリンが来たわ」
「お、仲間を呼んだって事は、こいつで間違い無いな。 複合スキル 魅了テイム 発動 」
「今更ゴブリンなんて何に使うのですか?」
「あぁこいつ自体に用はないよ」
そう言うと俺は、複製を始めた。
「このゴブリン何かのスキル持ちって事ですか?」
「さすがアリサ。 察しがいいな。 近々説明すると思うから」
「むぅ。 今でもいいじゃないですか」
「そう怒るなよ。 そういえばアリサ。 レベル上がって何かスキル増えたりしたのか?」
「そうですね。 スキルは変わらないと思うのですが、龍族なので普通なら職が無いはずですがーー職のところに竜騎士が追加されてましたね」
「おいおい、なんでそんな大事な事内緒にしてたんだよ」
「え? 別に内緒にしてたつもりでは……。 職追加されたところであまり変わりませんし……?」
確かに元々、雷龍で強かったアリサに職が追加されたところで必要はない。
だが竜騎士と言えば、誰もが羨ましがる稀少職だ。
「それに今さっきだって、スキルすぐに教えてくれなかったじゃないですか?」
ぐっ、アリサめ。
痛いところを突くのがうまくなったな……。
「まぁ、すぐにスキルは言う機会ができると思うよ。 そのうちアリサの武器も見に行こうな」
「え……? それってデートですか!?」
アリサは大興奮だ。
「相変わらずのチョロさね…」
「全くです。 魔王様」
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