044話 ◇◆間抜け◆◇
「クククッ、自分の命を狙いに来た——暗殺者が母親を殺した」
何でも屋テーラは流暢に話を続ける。
「彼女はショックのあまり王妃の死んだ時の記憶と、心を見透かす能力が弱まった。 後はもうわかるだろう? 能力が弱まったタイミングを利用して、心眼の力なんて嘘だと噂を流す…それが今の現状だよ——」
「そんな事があったなんて……」
「それにしても、第3王女レナはいないのかい。 この話聞かせたかったのになぁ。 クククッ」
「その暗殺者は捕まったのか?」
シオンは剣の柄に手を当てながら質問をする。
「捕まってないに決まってるだろ? まぁその後大勢の護衛が来たからね。 逃げたんだけど」
何でも屋テーラはニヤけながら話す。
「やっぱり……暗殺者じゃなくてお前だったんだな…」
「これから死ぬ君には関係ないさーー」
◻︎
「クロ、遅くまでごめんね。 凄く楽しかった」
「お互い様だよ、俺も楽しかったし」
「そろそろ城に着くわね。 私の見苦しいところも見せたけど……。 泣いたの2人の内緒ね。 約束よ?」
「あぁ、約束な」
俺は笑って答えた。
「なんだか城が騒がしいんじゃないかしら……」
「なんだか嫌な予感がするな……。 すまないレナ。 頼みがあるんだけど」
ーーー
「くっそ…目が霞んできた…」
シオンは何でも屋テーラの攻撃を、ギリギリのところで躱す。
「結構頑張ったみたいだけど、残念。 私の仕込んだ毒が回ってきたみたいだね クククッ」
「毒…?」
「そう、私は暑苦しいの苦手でーー出来るだけ動きたくないわけ。 毒が一番手っ取り早い」
「卑怯者…」
「お褒めの言葉 ありがとう」
テーラは笑いながらそう言った。
--バタンッ
「待ちなさい!」
「おやおや、これはこれは」
テーラは深々と頭を下げる。
「第3王女自ら来てくれるとは……クククッ」
「レナ王女……様。 にげ…」
「さぁ、私と一緒に来てもらおう。 クククッ」
テーラはレナに近づく。
「王女様がこんな間抜けだったとわね」
テーラはレナの腕を掴もうとする。
--バシッ
「残念。 間抜けはお前の方だったようだな」
レナはテーラの腕を掴むとそのまま地面に押さえつける。
「あなた……何者?」
「あぁ、この姿だと混乱するよな」
俺は変化を解き自分の姿に戻る。
「何だ…お前。 第3王女はどこだ」
「レナは俺の収納袋の中で安全に過ごしてるよ」
そう言うとテーラの腕を折るーー。
「ぐあああああああああ」
「暴れられても困るからごめんね。 さてと、こいつは弱かったしーーテイムと複製しなくていいか」
「こいつ、殺してや…」
「黙れよザコ」
俺はハエを見るような目でテーラを睨んだ。
「動けないように、きつーく縛っておくか。 スキル 荊棘の拘束 発動。 俺は殺しはしないけどーー兵隊さん達にあとは任せよう」
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