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041話 ◇◆第3王女レナ・シュヴァルツ◆◇



「はぁ、気が進まないなぁ」


 俺はため息をついた。


「あんな事を言った後だぞ? どうなるか……」


 ——クロの心の中——


「はーい注目。 友人に頼まれたのでーー令嬢の護衛をしたいと思います!」


「は? 私が護衛お願いした時、あなたなんて言いました?」


 魔王リーシャは睨む。


「早急に殺してしまいましょう、魔王様」


「ナル、あんた行ってきなさい。 どうせ返り討ちに遭うだろうけど」


「……」


「この前断っておいて、さすがにそれはないと思いますよ……クロ様」


「むぅ。 もうクロさんなんてしらない!」


「私はいいと思いますよー」


 ミーチェさんは、普通にOK出そうだな……。


 ーーー


「まてよ…」


 俺は閃いた。


「城の中を直接護衛するのではなく、街を周りながらーー間接的に護衛すればいいのでは? これなら観光……じゃなくて自由に動ける! むしろそっちの方が柔軟に対処できる。 皆も楽しめるだろう。 これなら、友人の頼みも訊けるな!」


 そうと決まれば早速、皆を集めよう。


「はい注目。 この後、皆でーーこの街を見て回ろうと思います!」


 俺は大きな声で言った。


「はぁ。 護衛でしょ? 私のは断っておきながらね……」


 リーシャはため息をつく。


「え? なぜそれを……?」


「私、あの近くを通りました。 シオンさんと話してるのを、全部聞いてましたよ」


 フラワーは答える。


「むぅ。 クロさん、また嘘ついたんですか?」


「さすがに嘘はよくないと思いますよ……」


「ミーチェまで……す、すまん…」


「何も起きないと思うんだ。 それに街を見て回っていいなら、皆も楽しめるかなと思ってね」


 俺はなんとか皆を説得しようとした。


「まぁ、クロさんの友人なら仕方ないですよね」


「私もお供しますよ!」


「嘘ついたことは仕方ないです。 護衛が終わった後、教会に懺悔しに行きましょう! クロさん」


 ミーチェはお祈りをしながら言った。


「大体、護衛って言ってもーー何もないと思うけどね。 観光気分で行きましょ」


「魔王様、私も観光、一緒に着いていきますよ?」


「ナル……私の話聞いてた? 観光気分って言っただけで観光ではないでしょ?」


「申し訳ございません」


「皆……ありがとな」


 俺は小さい声で呟いた。


◻︎


「シオン俺らは外で、見張りでもいいか?」


「あぁ、クロ達がいるなら心強いよ。 何かあった時は、助けに来てくれ。 僕は城の中に入るよ」


「わかった。 まぁ何もないと思うけどな」


 俺はシオンに手を振りその場を離れた。


「さーて、どこで待機しようかな」


 俺は見張りもできて座れそうなところを探した。


「こんにちは、あなたは冒険者の方かしら?」


 綺麗なドレスを着た茶髪の女の子が——俺の服を引っ張る。


「あぁ、そうだよ。 君のお名前は?」


「私は、シュヴァルツ家"第3王女"レナ・シュヴァルツと言います」


「なるほど、レナさんだね。 ってなぜここに?」


 俺はびっくりした。


「だって退屈ですもの。 ずっと城に居るなんてつまらないですわ」



「シオンやボディーガードは、何してたんだろ……」


 俺はため息まじりに言うのであった。


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