040話 ◇◆ポーション◆◇
--パリーン
「くそっ、また失敗かーー」
「何やってるんですか?クロさん」
アリサが興味津々で質問をした。
「この前どっかの誰かさんが迷子……。 ナンパされた時あっただろ? あの時の買い物は、これの為だったんだよ」
「ははーん、これは"回復薬"と言うやつを作ってるんですね?」
「そうだ、術書に作り方が書いてあったんだけど。 これ、今まで誰も作れた事ーーないらしくて。 試しに作ってみようと思って……」
--コホンッ
「その本の作り方では無理ね。 いつまでたっても埒が明かないわ。 ここが間違ってるから、材料をこれに変えればいいのよ」
魔王リーシャが淡々と説明しながら木の根っこのような物を渡してきた。
「おおー、さすが魔王。 見直したぞ」
俺は笑いながら言った。
「見直したって、何よ!」
--ボンッ
「おい、爆発したぞ!?」
--コホンッ
「魔王にだって間違いはあるわ」
リーシャは少し恥ずかしそうに言う。
「どこが間違えているんだろうな」
「そういえばあなた、レベルカンストしてましたね」
「あぁ、それがどうしたんだ?」
「流し込む魔力の量が多くて、入れ物が耐えきれなくなってーー破裂しているのでは?」
「……なるほど」
次から魔法関係のことはリーシャに訊こう。
俺は心の中でそう思うのであった。
「ふぅー、やっと出来た。 これ1日で作るのはーー10本が限界だな」
◻︎
「おーい、クロ! 久しぶりじゃないか!」
「おお、シオン! スカイでの一件以来じゃないか! あ、ちょっと待て」
俺はシオンの頬を引っ張った。
「イデデデ、相変わらず何するんだよ」
「また罠かもしれないからな」
「もう、相変わらずだね。 君はーー」
「そう言うなって。 こんなところで何をしているの?」
「僕は今、護衛の任務を請けていてね。 ほらあそこのお城の」
シオンが指差す先には大きな城郭が聳え立つ。
「ほー、これは大きな城だな」
俺は見上げて感心した。
「あそこにいる令嬢を護衛するのが僕の仕事なんだ。 名前はレナ様だよ」
「へー。 でもボディーガードとかいるんじゃないの?」
「いるけど、魔法やスキルには対抗できないからね。 あんな風にあっさり人質になる。 この僕が、護衛って不安でしかないけど」
「そっか。 頑張れよ」
「そうだ、クロも手伝ってよ!」
「はぁ? 嫌だよ。 護衛は嫌だってウチの魔お……じゃなくて、問題児にも言ったのに。 もしそれで護衛するーーなんて知ったら暴れ出すに決まってる」
「そこをなんとか!ーー」
「まぁ友人の頼みだしな。 考えておくよ」
俺は頭を抱えながら答えた。
下にある☆☆☆☆☆是非是非応援お願いします!




