039話 ◇◆対照的◆◇
「ねぇ、そろそろ何か考えないと私まで抜けるわよ」
「マヤ。 抜けたいなら抜けて良いぞ。 どの道パーティーは解散も同然さ——」
「本当にいいの? あんたパーティー作ったばかりの時、凄く楽しそうだったじゃない。 ねぇ、なんとか言いなさいよ」
「……」
「バカッ! 何で何も言わないのよ」
--パチーン
マヤはアーサーの頬をぶった。
「……」
アーサーは何も言わず顔を伏せる。
「もういいわよ!」
マヤは涙を零しながらその場を立ち去る。
体に力が入らず柱に寄りかかるマヤ。
「待っててね。 アーサー。 私が他の3人メンバーを見つけてくれば良いんだわ……」
「どこで道を踏み外したのだろう」
アーサーはよろよろと外に出ながら、ぽつんと喋る。
--ポツポツ ザーー
雨が降り出し、ずぶ濡れになるアーサー。
「気づけば1人……。 最初は良かった。 新米冒険者の中でも実力があり、すぐにパーティーのリーダーを任された。 けど最初の仲間は……僕以外ーー全員死んだ」
アーサーは過去を思い出し唇を噛み締めた。
「理由は明白——僕のリーダーとしての実力が足りなかったからだ。 だから、次のメンバーは使えないと思ったら排除してきた。 その結果がこの様だ。 やっと気づいたよ。 パーティーに一番要らない存在は僕だったんだ」
◻︎
——とあるレストラン——
「ちょっと、あんた。 今私が食べようとしてたお肉食べたでしょ!」
「食べてません! 食いしん坊みたいに言わないでください!」
フラワーは頬を膨らませる。
「魔王様、申し訳ございません。 最後のお肉頂いたのは、私でございます」
「あぁ? ナル、あんただったの!? あんた絶対許さないから。 とりあえず、ムカつくからあんたにーー正拳突きお見舞いするわ!」
--ドゴォッ
鈍い音が店に響く。
「ゴフッ。 魔王様、正拳突き……お見事です。 ガクッ」
「ちょっと。 これ大丈夫なの? 完全に泡吹いてるわよ」
アリサは呆れながら言った。
「わわわ、意識取り戻す様に、私がお祈りをします!」
ミーチェはお祈りをした。 しかし何も起こらなかった。
「あんたのお祈り毎回見てるけど面白いわね」
アリサは小バカにしてお腹を抱えている。
「うぅ……真剣にやっているんですよ!」
ミーチェはぷるぷると涙を流すのを堪えている。
「リーシャ達が入って、一段と賑やかになった気がするな」
「何か言いました? クロ様」
「いや。 お前達といるとなんだかこっちまで楽しくなるなって、思っただけだーー」
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