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038話 ◇◆ナンパ◆◇


——とある酒場——


「前のモンスター討伐の時ーー逃げ回ってた、あの運び屋覚えてるか?」


「あぁ、1人だけ逃げ回ってたやつ居たな」


 肉を頬張りながら話す2人の冒険者。


「この前よ、見てしまったんだよ」


「何を見たんだよ」


「あいつ可愛い子何人も連れて歩いてたんだよ」


「おいおい、嘘だろ。 襲われても助けられねーじゃん」


「だろ? さすがにその時は、襲わなかったけどよ。 次あったら……どうよ、一緒に襲うか?」


「ふん。 そんなの決まってるだろ」


 2人はニヤニヤしながら酒を流し込む。


◻︎


「クロ様! 見てくださいこのお花。 わぁ綺麗」


「店員さんこのお花を」


「はいよ」


「いいんですか!?」


「フラワー欲しかったんだろ。 いいよ」


「わー。有難うございます」


 --フワフワ


「なんだかこのお花、フワフワしたのが飛んでますね」


「え? いや何も飛んでないぞ?」


「えー。 おかしいなぁ」


「それにしてもリーシャのやつどこに行ったんだ?」


 --トコトコ

 小さな足音が聞こえる。


「はー。 もうここは天国ね。 欲しいものが沢山あるわ。 あれ? クロ達が居ない」

 魔王リーシャは辺りをキョロキョロ見渡すが——誰もいない。


「もう、迷子になるなんてほんと世話が焼けるのだから……」


 ため息まじりに魔王は呟く。


「おい、あのちびっ子。 この前あの運び屋と一緒にいたぞ」


「まじかよ。 今1人じゃねーか」


 人影に隠れながら話す2人の冒険者。


「て事は、近くにあの運び屋いるって事じゃねーか?」


「おいおい、こんなすぐに見つかるとは。 これはもう神様も襲えって言ってる様なものだぜ」


「あのちびっこ使えそうだな」


「あぁ、そうだな」


 リーシャに近づく2人。


「もしもーし。 どうしたのはぐれちゃったのかな?」


「何よ。 気安く話しかけないで」


 魔王はツーンとした態度を取る。


「そんな事言わずに……なっ? お兄さん達、心配になったんだよ」


「何か欲しい物とかないのかい? お嬢ちゃん」


「欲しいもの? 服とか欲しいわね!」


「おっ、お兄さん達と一緒に見に行こう!」


「何か気に入ったのがあれば買ってあげよう」


 ——


「ありがとう。 ほんとに買ってくれるとは思わなかったわ」


「あぁ、いいんだよ」


「だいぶ警戒心は無くなったみたいだな——」


「もういいんじゃないか」


 冒険者2人はニヤッと笑う。


「お嬢ちゃんごめんね」


 2人はリーシャに飛びかかる。


◻︎


「あなた達、迷子になるなんて子供っぽいわね」


 リーシャは呆れた様に言う。


「ペンダント使おうかと思ってたけど——心配して損したわね」


 アリサはため息をつく。


「リーシャどこ行ってたんだよ。 あれ? その服はどうしたんだい?」


「さっき2人組みにナンパされちゃって。 その時買ってもらったの」


 服を取り出し両手で広げるーーウキウキの魔王。


「でもその後、私を連れて帰ろうとしたのかしらね。 乱暴しようとしたからボコボコにしてゴミ箱にぶち込んでおいたわ」


「こんな小さな子をナンパして連れて帰ろうって……物好きも居たものだな。 実際の年齢聞いたら気絶しそうだけど」


「クソ……今の子供ってあんなに強かったのか……ガクッ」


 ゴミ箱の中で白目になっている2人であった——。


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