036話 ◇◆心の声◆◇
「さっきはごめんね。 はい、鎧に剣でしょ」
俺は兵隊達に装備を返してまわった。
「フラワー、ミーチェさんもごめんね。 短剣と刀返すね。 えーと、それからーー」
俺は勇者の剣を2本ともユウトに渡した。
「これ、彼女の分もあるから。 この後の事は任せるよ」
「任せてくれ。 魔王が用事がないと言っていたということは、カンストのテイマーは君だったんだね?」
「ん?何か言ったか?ユウト」
「いや、なんでもないよ」
--ダダダッ
「・・・」
——ユウトの元へ走るカナ。
剣を奪うつもりだろう。
「カナ、この剣は渡せないよ」
ユウトは両手で剣を構える。
「大丈夫だ、俺がなんとかする」
俺は手をユウトの前に出した。
俺はカナの後ろに瞬時に移動すると背中に手を当てた。
「 スキル 魅了 発動。 今後また揉めるのも面倒だし。 問題起こさないようにしておくか。 一緒に冒険する気はないけど、テイムしておこう……。 スキル テイム 発動。 それと……」
俺はこっそりとカナのスキルを複製した——。
◻︎
——その頃ディヴァインとオルカ——
「師匠。 俺、前よりだいぶ強くなりましたかね!?」
「ディヴァイン。 まだまだよ。 あなたはもっと強くなるからね。 しっかり着いて来なさい」
水龍のオルカはストレッチをしながら言った。
「ウッス!」
ディヴァインはピシッとーー背筋を伸ばし返事をした。
「俺は修行しているうちに、どうやら師匠に本気で惚れたらしい。 これはガチ恋だ。 誰にもーー止めることはできねぇ!」
ディヴァインは1人、心の中で言っている。
「何ボーとしてるんだい?」
オルカがディヴァインに近づく。
「し、師匠。 な、なんでもねぇ!」
ディヴァインは心の中で集中、集中ーー自己暗示している。
が、集中出来ていない。
「俺のようなポンコツでも真剣に修行してくれてよ。 おまけにあの綺麗な髪。 おまけにあのスタイルときた。 どんな男でも虜になるだろう」
ディヴァインはまたもや心の中で、喋り続けている。
--ズコーン
「ディヴァイン! あんた集中してない!」
オルカはディヴァインの顔に回し蹴りをした。
「ちょっと気を抜いただけでーー回し蹴りはないっすよ……師匠」
--ガクッ
「すまん。 ディヴァインの先程の顔が、ついムカついて本気で蹴ってしまった」
オルカは謝罪しているが、ディヴァインの意識は既になかった。
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