030話 ◇◆異例の手紙◆◇
「おいおい、ここで剣を交えるつもりかい? 街だよ??」
ーーユウトは呆れたように言う。
「・・・ですが、剣を渡すつもりはありません」
「お嬢ちゃん、これでアイスでも買っておいで。 ちょっとそこのお姉さんと2人で大事な話があるんだ」
ユウトは少女にお金を手渡す。
「ありがとう! 勇者のお兄ちゃんお姉ちゃんバイバイ!」
少女はお礼を言いその場を離れたーー。
ユウトは南の方向に指を指しながらカナに提案をする。
「ちょっと離れたところの荒地に行こう。 あそこなら人目も気にする事ないだろう」
「・・・」
カナは黙って頷く。
「おお! その剣は! 噂は本当だったんだ! そこのお二方ちょっとお願いがあるのですがーー着いて来てもらえませんか!?」
兵隊が2人を引き止める。
「どうしたのですか?」
ユウトは質問をする。
「協定を結んでいない魔王が手紙を送って来たのです」
兵隊は答える。
「なるほど、カナ。 事態が事態だ。 今回は一時休戦でどうだろう」
「・・・」
カナはまた黙って頷いた。
「はぁはぁ。 やっと見つけた」
俺は勇者2人を見て言った。
「やぁ、君はえっと。 ごめん君の名前まだ聞いてなかったね」
「クロ・エンジュ。 クロでいいよ」
「クロちょうどいいところに来てくれたね。 君もちょっと着いてきてくれ」
「何かあったのか?」
「行きながら話そう。 そこの兵隊さんが教えてくれるよ」
◻︎
「なるほど、協定を結んでいない魔王から手紙が届いたのか」
俺は話を聞き納得した。
「そうなのだが、その魔王は姿を見せないと評判なのにいきなりどうしてなのだろう」
ユウトは疑問に思う。
「着きました。 ここで作戦会議を行なっているのです」
ーーー作戦本部ーーー
「私は兵隊長のアラ。 勇者殿。 スフィアにいると聞いて探しました。 噂は本当だったのですね! それとーーこちらの方は?」
「あぁ、クロ・エンジュさんだ。 戦力になると思って着いてきてもらったんだ」
俺の背中をポンと叩き、話す勇者ユウト。
「クロだ。 よろしく頼む」
「クロさん、何かあれば急いで逃げてくださいね。 お気持ちは嬉しいのですが、相手が相手だけにーー私どもも守る余裕がないので」
あからさまに兵隊長は俺の実力を信じていない様子だ。
「それで魔王はーー何て言ってきたのだい?」
「魔王からの手紙はこれです」
ースフィアの方々へ
そちらの島にレベルがカンストしているテイマー がいると、思われます。
その方を私の元へ来るようにお伝えください。
分かっているとは思いますが場所は、魔王城ヴァルハラ。
少人数であれば1人でなくても構いません。
もし△日までに何の返答もなく、来る気配が無いようでしたらーー不本意ながら、私自らそちらへお伺いします。
その時は覚悟をしてください。
快い返事をお待ちしております。
ー魔王 リーシャ・ジャック
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