003話 ◇◆クロ抜きのアーサーパーティー◆◇
「ザコがいなくなって、せいせいするぜ。 ガハハハ」
ガードのディヴァインがお酒を飲みながら高らかに笑っている。
「クロがいる間はモンスター討伐したあとのご飯だって喧嘩ばかりだったものね」
少しうつむくカレン。
「カレンの言う通りよ。私、喧嘩が一番嫌いなの」
「まてまて、マヤはすぐに魔法詠唱して喧嘩に参加してたじゃないか!!」
「ちがいます!! 私は喧嘩の仲裁をしていただけです!!」
「ハァー。うるさい人たちだなぁ」
アーサーはため息をつき——もくもくと料理を食べている。
「彼をパーティーから外して一致団結したな。 今度また同じモンスターを倒してみるか。 どれだけやりやすくなったか見てみよう」
アーサーが提案すると残りのメンバーが笑顔で乾杯をする。
◻︎
ここは、どこなのだろうか。
俺はフラワーと一緒に山を登っていた。
一日中歩いていた二人は、少し休憩することにした。
「そういえばご主人様のお名前を聞いてなかったのですが、何とお呼びすればよろしいでしょうか?」
「うーん、ご主人様はさすがに嫌だな。 クロとかでいいよ」
「わかりました。 クロ様とお呼びしますね」
--ゴロゴロゴロゴロ
「なんだこの音は!?」
俺は辺りを見渡した——先程まで晴れていた空が、一瞬のうちに雷雲が覆っていたのだ。
「あちらをご覧ください!」
フラワーが指を指す方を見る——そこには、でっかい影がいた。
「もしかして雷龍??」
「フラワー何か知っているのか?」
「奴隷で働いていたときに、——雷竜が街を訪れるとき街に厄災が降り注ぐ。 しかしその厄災さえも使役してしまう者あり——と落ちていた本に書いてありました」
「ふむふむ え? こいつって使役できるの???」
「多分昔の凄い術士の方々なら可能なのだと思います」
「とりあえずもう少し様子見だ。 俺自身のスキルもわからない事だらけだしな」
「はい」
◻︎
「何か雷凄くない??」
「すぐに晴れるだろうよ。 さっきまで晴れてただろ。 カレンは心配性なんだよ」
「まぁカレンの言う通り、雷がもっとひどくなるかもしれない。さっさとモンスターを倒してしまおう」
「アーサーは、ほんと頼りになるわね。 前いた男ともこのアホタンクとも大違いね」
「うっさいわ。 ガハハハハ」
「グルルルルル」
「出たわよ。 以前倒したモンスターと同じスノウウルフだわ」
「サクッと倒してしまいましょう」
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