025話 ◇◆聞き覚えのある声◆◇
「【過激派】タリスカートップの椅子が空きましたね」
「シロ、あなたは興味がありませんか? 教会を導く側に成る事には」
「今回のイエメンの件は、あなたの功績です。 ありのままを発表し、あなたをタリスカーのトップにしましょう」
「ありがとうございます」
「せいぜい利用させてもらうか」
「私も今回の騒動を鎮圧した少年達に会ってみたいものですね」
大聖母マリアはワクワクした様子で、誰にも聞こえない声で言う。
シロは計画通りと言わんばかりに大聖母マリアに見えない所で不敵に笑った。
◽︎
——市場——
「クロ様、何をそんなに真剣に見ているのですか?」
「あぁ、次行きたいなーーと思ってる島は結構暑いらしい。 出来るだけ涼しい服装にしようと思ってね」
「なるほど、それなら皆で服買った方がいいですね!」
「クロさん、この水着どうかな!?」
いつものようにアリサが赤くなりながらクロに質問する。
「別に川や海に行くわけじゃないんだぞ」
「シュン」
先程までノリノリだったアリサは肩を落とす。
何だか俺が悪いことをしたみたいじゃないか…。
「クロ様。 あのお店見てもいいですか?」
「いいけど何か買うのかい??」
「…えーと」
フラワーは少し恥ずかしい様子。
本当に何を買ったのか気になり始めてきた。
「フラワー結構悩んでたね。 欲しいの見つかったかい?」
「ジャーン! これです!」
フラワーは背中の影に隠していたお花の束を俺に手渡した。
「え? これは??」
「私、奴隷から開放されてからずっとお礼出来ていないと思ってました。 名前をいただいた時、嬉しかったです。 これは私からのプレゼントです!」
「フラワー、ありがとう!!」
俺は嬉しくなり、ついフラワーの頭を撫で撫でした。
「エヘヘヘ」
と初めてのプレゼントで緊張していた事とーー撫でて貰った嬉しさで頬が緩むフラワー。
「チッ、撫で撫でされてずるい!」
アリサは悔しそうに呟いたーー。
「お腹が空いたな、ミーチェさんは何が食べたい?」
「あのクロさん……」
「ん?」
「ずるいです! 他の方々は呼び捨てなのに、私だけさん付けしないでください」
ミーチェはうるうるしながら言う。
「あぁごめん。 なんだか馴れ馴れしく呼ばれるの嫌かなって」
「全然嫌じゃないです!」
「でも、俺のこともさん付けしてるよね?」
「ふふん! そう言われると思いまして! 呼び捨てにする練習をしてたんですよ!」
ミーチェは得意げに言う。
「え……そんな練習する暇あるならーー刀振ったほうがいい気が——」
「ぐふっ……」
俺は言葉の刃でミーチェを斬りつけたようだ。
「ちょっと悲しくなってきたので、また今度呼び方を決めましょう……。 うぅ……」
よろよろと半ベソになりながらその場を後にするミーチェ。
「お腹も空いたしご飯を食べるか」
「クロさん、私もペコペコだよぉ」
アリサは店をキョロキョロ見ながら言う。
「あ、あそこのレストラン行きましょう!」
アリサは真っ直ぐ北の方角にあるおしゃれなレストランを指差す。
——レストラン やしの木——
「いらっしゃいませ」
「さーて何頼もうかな」
「クロさん。何か聞き覚えある声聞こえませんか?」
「何度も言ってるだろ? 俺はこのパーティーを抜けるぞ!」
確かに何とも聞き覚えのある声がしたーー。
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