017話 ◇◆聖騎士と教会◆◇
「なんでここにいるんだって、顔をしているね」
「そりゃ、魔法もスキルも一流で、学校の成績も常にトップ。 首席で学校を卒業したーーシロ兄ちゃんがこんなところで何をしてるんだい?」
「まぁ見回りだよ。 聖騎士なんてめんどくさいだけだ」
聖騎士の職のシロ兄ちゃんは、この世界の秩序を守るーー聖なる教会に所属している。
聖なる教会は主に2つの派閥に分かれている。
♢出来るだけ争いを避けたい
【穏健派】ニッカ
♢一番人口が多く自分達の主張に自信がある
【過激派】タリスカー
シロ兄ちゃんはニッカに属している。
配属先が決まった時は、寂しくて泣いたものだ。
「シロ兄ちゃん元気だったんだね」
クロはシロに手を差し出す。
「すまない、まだ仕事が残っているんだ。 俺は先に行くよ。 お前の顔が見れて良かった」
シロは握手をせず急ぎ足でその場を離れた。
「あの態度、クロは完全に油断はしている。 が万が一にも俺のスキルを複製させるわけにはいかないからな」
先程まで、優しそうな顔だったシロは、俺を睨みその場を離れた——。
◻︎
「アルビオンの方々、お礼と言って結構な品物とお金をいただきましたね。 クロさんお金、皆で分けてほんとに良かったんですか?」
アリサが嬉しそうだが、少し心配した様子で質問をする。
「皆で頑張ったんだ。 当たり前じゃないか」
「そういえばフラワーさん、何か買っていましたよね?」
アリサは、フラワーの持っている袋に目を向けて質問をする。
「はい。 スカイの名産品って書いてたのでこれをーー」
--ガサゴソ
フラワーは袋から、雲のわたがしを取り出した。
「おお、これは美味しそうだね。 俺も見ておけば良かったよ」
「何を言ってるんですかクロ様? 皆の分、買っていますよ!」
そう言うとフラワーは全員に、雲のわたがしを渡した。
「んー! うまい!」
雲のわたがしを千切りながら、ビートに食べさせてあげるクロ。
「そういえばお礼の品物の中に、使えそうなのが何個かあったな」
そう言うと俺は収納袋から⦅笛⦆⦅刀⦆⦅本⦆を取り出した。
「これって何かわかるか?」
『こちらはーー七色の笛でございます。 職 演奏者の方は使用できます』
「え・・? 演奏者なんて1人もウチにはいないぞ……。 使えそうだとは思ったけど収納袋に戻しておこう」
『次にそちらの刀はーー名刀数珠丸でございます。 扱う者によって威力が変わるのが特徴です。故に刀をほとんど扱った事がない人にはオススメできません』
「なるほどねー。 刀ほとんど触った事ない。 これもとりあえず収納袋だな……」
『そしてこちらの本はーー術書になります。 魔法のことが書かれています。 魔法陣に関する記述などもある為、誰でも使える品かと思われます』
昔、読んだことがある本だ。
当時は魔法陣の本だと勘違いをしていたーー。
「これは今読んでも、使えそうだな」
俺は術書をパラパラと眺めていた。
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