133話 ◇◆分担◆◇
「うーん、いい加減ベッド生活にも飽きたわね!」
リーシャはごろごろとしながら言った。
「体調の方はどう?」
俺はリーシャに尋ねた。
「普段なら私の魔法でなんとかなるのだけれどーーあの矢特殊な魔法でもかけられてたのかしらね。 魔法を使っても治らなかったわ。 ポーション使っても応急処置程度の回復だったし」
「一旦、回復に専念した方がいいかもしれないね。 回復したらここで待ってて欲しい」
俺はトウカイ島と残り2ヶ所にペンで印をつけた内の一つを指さす。
「1カ所私が傷を治してる間に、解決してしまおうって事ね。 まぁあなたのお兄さんもそんなに長く待ってくれないだろうし。 いいわ」
「側近のナルと吸血鬼のカーミラにも、傷が治るまで一緒に待ってもらうように言ってあるから」
「治り次第ーーここに向かうのね。 いいわーーこのベッド生活から一刻も早く抜け出してやるわよ」
リーシャは指をさした場所をメモしながら言った。
その様子を見て俺はついーー
「リーシャって真面目だよな」
キョトンとした顔でリーシャがこっちを見ている。
「ん? 何か言った?」
「別に。 何でもないよ」
俺は、リーシャが一生懸命にメモを取っている姿が少し微笑ましく思えた。
ーーー
俺はフラワー、アリサ、ミーチェ、マリアさんを呼んでーー
「俺達で先に2カ所目を解決してしまおうと思うんだ」
先程リーシャと話をしたーーこれからの流れを伝えた。
「3カ所目でリーシャさん達と合流する流れですね?」
フラワーが尋ねる。
「そうだ。 それまで傷を治すことに専念して貰うつもりだよ」
「無理について来そうだなと心配してたんですけど…。 無駄な心配でしたね」
アリサは心の中でそう呟く。
「あれ? ビートは?」
「矢の放たれた現場に行ってましたよ。 ゆっくり探し物をしたいんだとかーー」
そういえば、あいつーー
「ちょっとこの周りの散歩に行ってきます!」
って言ってたな。
俺は朝のビートの様子を思い出した。
「ただいま戻りました!」
見計らったかのようなタイミングでビートが帰ってきた。
「そういえばあの屋根の上から面白い物がみつかりましたよ」
ビートが得意げな顔でこちらを見ている。
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