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126話 ◇◆一瞬◆◇


「これ、本当に襲撃来ると思います?」


 アリサがミーチェ達に尋ねる。


「どうかしらね。 まぁでも持ち物を感知できるのなら、今の状況だと対処しやすいと思うけれど」


「魔王様、今の魔王様の状態ですと対処は困難かと…」


 側近のナルの頭の上にゴチン!と鈍い音が響く。


「何事もないといいのだけれど…」


 ミーチェが不安そうに両手で祈る。


 ーーー


「そろそろかな」


 俺は時計塔の時間をチラリと確認する。


「正直、何もないと思いますけどね」


 ビートはクンクンと焼きそばの出店の匂いを嗅いで涎を垂らしながら言っている。

 擬人化している姿で涎を垂らして欲しくないものだ…。


「炭火焼きの焼き血の売ってある出店はないのかしら…?」


 カーミラが残念そうに言う。

 焼き血ってなんだ…? と俺は思ったけどツッコむと凄く解説されそうなので受け流した。


「この度はトウカイ式典のご参加有難うございます。 私、トウカイ島の島長のウィンドでございま〜…」


 島長のウィンドは長ったらしく眠気を誘う開会式の挨拶をしている。

 このまま何も無いといいけれど…。


「〜…以上です」


 パチパチパチパチと拍手がなり響く。


「何事もなかったですね」


 あっさり終わってしまい、正直自分の準備が無駄かなと思ったその時ーー。

 —ヒュン。

 挨拶を終え、中央の壇上から戻るトウカイ島の島長ウィンドの方向に一筋の何かが迫ってくる。

 魔法陣の範囲内にはどこにも弓を持っているものはいない。

 俺とビートはとっさに気づき中央の島長の方に行く…が


「…! 間に合わない!」


 俺達の方向から反対側の方向に島長は向かって歩いている。

 俺とビートは手を伸ばすが届かない。


 アリサ達の方が近いが気づいていない…。


「ウィンドさん伏せろーーーーー!」


 咄嗟に俺は叫び、ウィンドは気づいて伏せようとするが矢の方が早く間に合わないーー。


 ーードス


 ーーー

 ーーーー

 ーーーーー


 アリサ達の中に唯一、魔王リーシャが気づき島長の方に飛びついていたのだ。


「リーシャーーーーー!」


 楽しそうな雰囲気で包まれていた式典は一瞬で凍りついた。


数ある小説の中でこの作品を読んでいただいたこと本当にありがとうございます。


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