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123話 ◇◆掛け合わせ魔法陣◆◇


「いよいよ始まりましたね」


 ーーパンッパンと花火が打ち上がる。

 それに出店も並んでいて、皆ーー浴衣や法被を着ている。


「魔法陣は…。 お、発動している」


「いい加減教えてくださいよ。 クロ様」


 俺はビートに目立たないためにーー法被を渡して、一緒にトウカイ島の入り口付近に来ていた。


「此処で何でもいいから発動してみてよ」


 俺はトウカイ式典入り口ギリギリ園内を指さした。

 ビートはコクっと頷き、氷を生成しようとした。


「……。 あれ?」


 何も起こらなかった。

 それどころかビートから魔力が一切感じられない。


「これは何ですか?」


「じゃあ、次はこっちでやってみてよ」


 俺は自分の真横を指さした。

 トウカイ式典の入り口から近いが式典会場には面していない場所だ。


「いきますよ!」


 ビートの手のひらにパキパキと音を立てながら小さな氷の結晶が出来上がった。


「ここでは使えるんですね」


「そこは魔法陣の外だからね」


 俺はビートの結晶を眺めながら話を続けた。


「さっきの魔法陣が、魔力とスキルを感知して全て無効化しているんだ。 だからビートがスキルを使おうがーー魔法を使おうが何も起こらないよ」


「ほえー。 これはその…ヤバいですね」


「しかもこれ、俺にだけ皆の持ち物が丸わかりなんだ。 武器とかを所持してるやつとかマークしていけば安全でしょ」


「え…? それでさっき皆の下着を…?」


「ビート…。 この事は内緒で頼む…。 この魔法陣はもう使う事はないと思うけど、一応…ね?」


「やっぱり見えてたんですね。 僕もオスなんで…一応、なんていうか…気持ちわかります!」


 ビートはキラキラした目で俺を見つめた。

 ビートには今度何か美味しいお肉でも買ってあげよう…。


「よし、2つの魔法陣の発動は確認できたから。 皆のところに戻ろうか」


 俺とビートは、フラワー達の元に戻ることにした。


「でも、それだと魔法陣の中に入ったら普通は持ち物とか見えないんじゃないんですか? 無効化されないんですか?」


「あぁ、魔法陣書いたのどこだっけ?」


「あ、湖の上ですね。 なるほど、別のところで発動してたら大丈夫なんですか?」


「そうそう、だからーー大丈夫だよ」


 本当のところ、1番ホッとしているのは俺だ。

 俺は魔法陣の詳細を言わなかったのはーー自分自身どちらが優先されるのか分からなかったからだ。

 もし、無効化の方を優先されていて持ち物とか見えなかったら…その時何か別の策を考えようと思っていた。

 成功してよかったよかった…。

 と、俺はビートにバレないようにホッと一息入れた。




 




数ある小説の中でこの作品を読んでいただいたこと本当にありがとうございます。


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