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120話 ◇◆トウカイ式典前◆◇



「この話はですね。 実話ですよ。 それに…その勇者は」


 マリアは真剣な表情で俺を見つめて言いかけたが途中で止めた。


「そうだったのか。 でも、事実かどうかなんてどうでもいいだろう?」


 マリアは首を横に振る。


「もし仮にですよ。 この話を知っているこの島の住民達の前でーー何か魔族の者と事件が起きたりしたら…一気に戦争に参加する人もいるんじゃないでしょうか?」


 言われて見ればそうだ。

 今でこそ平和だが、害があると思う人達が駆逐したがるのは当然の事。

 もし、何か大事件があれば一気に魔界に侵攻する事に賛成する者も増えるだろう。


「もし事件が起きるとすれば…。 大勢の観客がいる時…。 トウカイ式典!?」


 トウカイ式典は今日の夜に始まる。

 正直時間が無い。

 しかし、可能性がある以上何か手を打っておきたい所だ。


「もし俺がーー仮にシロ兄ちゃんの立場だとしたら…一番島の人達の信頼を得る方法…。 襲う相手は誰でもいいだろうけど…トウカイ式典の開式の挨拶を島の長が述べている途中で魔族に襲わせる…」


 俺は想像したくない事を、嫌々ながら想像しーー更に続ける。


「誰でもいいだろうけど…どうせならーー1番目立つシチュエーションを望んでいるはずだ。 狙うなら島の長だろう。 それをタリスカーが取り押さえる。 これが魔族への侵攻を正当化しつつタリスカーの評判を上げる方法だろうな。 考え得る限りこれが一番効果的だと俺は思う」


「確かに、その考えは正しいかもしれませんが一般の人に危害を加える可能性も考慮したほうがいいかもしれませんね」


 マリアは俺の隣でメガネをクイっと手で動かしながら言った。

 普段メガネかけていないのに、どこからそれ持って来たんだ…。

 俺は心の中で突っ込みながら、また考え込んだ。


「一般の人にも注意を払える方法…。 何かあるかな」


「人数が流石に多すぎて無理だと思いますけど…」


 マリアは言いにくそうにしながら俺にアドバイスする。


「磁場吸引すれば、また襲われても武器奪えるんじゃないですか?」


 ミーチェはキョトンと質問をする。


「そもそも武器で襲ってくるかも分からないからさ」


「なるほど。 何か()()できる物とかあればいいんですけどね…」


「それだ!!」


 俺は、ミーチェの肩を持ちブンブンと振った。


「はひ…! 力になれたなら何よりです」


 ミーチェは顔を真っ赤にし、頭から湯気を出しながら言った。



数ある小説の中でこの作品を読んでいただいたこと本当にありがとうございます。


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